想像しづらい「老後」に対して不安を抱いている人は少なくないでしょう。

とくに老後をおひとりさまで迎える人は、経済的な不安をできる限り排除しておきたいものです。

本記事では、いまのシニア世代の老後生活を「ひとり世帯」に絞って覗いていきます。

生活費はひと月いくら?

年金額は月額どのくらい?

ひとり世帯のみんなは貯蓄をどのくらいしているの?

官公庁のデータをもとに、一つずつ見ていきましょう。

1. 【ひとりの老後】生活費はひと月いくら?

まずは老後の生活費を確認しましょう。総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯が1か月に使っているお金は、月平均14万9286円でした。

1.1 月の収入

収入:13万4116円(うち社会保障給付12万1629円)

1.2 月の支出

  • 消費支出:14万9286円
    • うち食料:4万2085円
    • うち住居:1万2693円
    • うち光熱・水道:1万4490円
    • うち家具・家具用品:6596円
    • うち被服及び履物:3385円
    • うち保健医療:8640円
    • うち交通・通信:1万4935円
    • うちその他:3万956円
  • 非消費支出:1万2647円

支出合計16万1933円

月の収支:▲2万7817円

内訳を見てみると、もっとも大きな割合を占めるのが食費で約4万2000円。次いで住居費が約1万3000円、光熱・水道代が約1万4000円です。その他にも医療費や通信費などが続きます。

消費支出に加えて、税金や社会保険料などの非消費支出も約1万3000円発生しています。これらをすべて合計すると、毎月の出費は約16万2000円にのぼります。

一方で、収入の平均は13万4000円程度。そのうち大部分が年金などの社会保障給付となっています。つまり、月に約2万8000円の赤字が出ることが想定されるのです。

住居費が少ないのは、調査対象の多くが持ち家に住んでいるためです。賃貸暮らしの場合、住居費はもっと高くなるでしょう。