1. 生活保護制度は8種類の扶助がある。その一つ「生活扶助」とは?
生活保護は、困窮した世帯が「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できるようサポートする制度です。
ただし、「生活が苦しいから」といって、すぐに生活保護を受けられるわけではありません。
まずは以下のような手段を活用してもなお生活維持が困難な場合にのみ、適用される制度です。
- 資産の活用:預貯金や使用されていない土地・家屋など、必要に応じて資産を活用できるか
- 能力の活用:働く能力があり、実際に就労できるか
- 他の制度の活用:年金や手当など、他の社会保障制度による給付が得られるか
- 扶養義務者からの援助:親や子などの親族からの援助が受けられるか
これらをすべて検討した上で、生活費が一定の基準を下回る場合、不足部分にたいして公的支援が行われます。
なお、生活保護は日常生活に必要な費用をサポートする「生活扶助」や住まいをサポートする「住宅扶助」など、計8種類の扶助に分類されています。
1.1 【生活保護《8つの扶助》】
- 生活扶助:日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費など)
- 住宅扶助:アパートなどの家賃
- 教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
- 医療扶助:医療サービスの費用
- 介護扶助:介護サービスの費用
- 出産扶助:出産費用
- 生業扶助:就労に必要な技能の習得などにかかる費用
- 葬祭扶助:葬祭費用
この中でも「生活扶助」は、生活保護を受けるうえで最も基本的な支援の一つで、世帯の状況に応じて支給額が変わります。また、2025年10月から2年間の期間で増額されることが決定しました。