6. 【6月支給分から増額】2025年度「年金生活者支援給付金」の給付額はいくら?
公的年金と同じく、年金生活者支援給付金は年度ごとに見直されます。2025年4月分からの給付額、および基準額は物価上昇率を踏まえ、前年より2.7%の引き上げとなりました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ上記は「基準額」となり、これをもとに保険料納付済期間などに基づいて実際の支給額が計算されます。なお、改定後の金額となるのは、6月に支給される「2025年4月分」の給付金からとなります。
7. まとめにかえて
今回は、住民税非課税世帯を対象とする給付金についてチェックしてきました。対象だったのに受取れなかった、ということのないよう自身の自治体の情報はしっかりと確認しておきましょう。
しかしながら、給付金を生活の足しにしたとしても物価上昇を考えると家計収支が依然厳しいということに変わりないかもしれません。
今後、世の中がどうなっていくのかは予測しづらい部分がありますが、やはり将来のための資金準備は非常に大切です。
「そんなに普段お金を使わないから大丈夫だろう」という方もいるかもしれませんが、病気になったり介護が必要になったりするリスクは誰にでもあります。
これらのリスクに対しては、コツコツお金を貯めておく、保険に加入し何かあった際の保障を持っておく、など手段は様々です。
予想外のことが起こってしまった場合に困ってしまうことがないよう、自分に合った手段で将来の生活を守る準備をしていきましょう。
8. ※豆知識【年金の基本】老齢年金の受け取り時期は「繰上げ」「繰下げ」ができる!
老齢年金の受給は原則として65歳ですが、「繰上げ」「繰下げ」も可能なことをご存じでしょうか。
ここでは、若い世代が知っておきたい「年金」の基本について、説明します。
8.1 Q 老齢年金は「繰上げ」「繰下げ」で受給可能って本当?
→A はい、ご自身の状況に合わせて、繰上げまたは繰下げて受給開始時期を選べます!
老齢年金の受給は、原則として65歳からです。
しかし、受給開始時期は「繰上げ」または「繰下げ」を選ぶこともできるのです。
繰上げ受給とは?
65歳よりも早く年金を受け取り始める制度。年金額は繰上げ時期に応じて減額されます。
繰下げ受給とは?
66歳以降に受給を遅らせることで、年金額を増額させる制度です。
「繰上げ」「繰下げ」のどちらにもメリットとデメリットがあります。
8.2 繰上げ受給について
メリット
生活費の足しにしたい、早期リタイア後の収入源にしたいなど、早くから年金を受け取りたいというニーズに応えられます。
デメリット
繰り上げ請求をした時点に応じて、年金額が減額されます。この減額率は一生涯変わらないため、長期的に見ると受け取る年金の総額が少なくなる可能性があります。
8.3 繰下げ受給について
メリット
長生きする可能性が高い、老後の生活費をできるだけ増やしたい、などの理由で、将来の年金額を増やしたい方に向いています。
デメリット
受給開始年齢を遅らせる分、年金を受け取れない期間が発生します。その間の生活費をどのように確保するか、貯蓄や他の収入源など、しっかりとした計画を立てる必要があります。
年金受給開始時期の決定は、ご自身の健康状態や家計などを総合的に考えて、慎重に行うことが大切です。
参考資料
- 内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
- 総務省「個人住民税」
- 札幌市「個人市民税」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
矢武 ひかる