筆者である私は普段、個人向け資産運用アドバイザーとして従事していますが、相談で最も多いものが「老後の生活資金を今のうちから用意したいです」というものです。
年金がもらえるか不安ということや、物価上昇が続くと生活が苦しくなりそうなど、その理由は様々です。
最新の政府の世論調査では、「去年と比べた生活の向上感」において、70歳以上の38.3%が「低下している」と回答しています。
年金額がほぼあがらない中、物価上昇が続けばシニアの生活も苦しくなるでしょう。
今回は、70歳代の年金額や貯蓄額にフォーカスをあててみます。
記事の最後には老後の生活資金の用意方法についても書いていますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 70歳以上の約3割が「去年より生活感が低下している」と回答
内閣府「国民生活に関する世論調査(令和6年8月調査)」では、「去年より生活感が低下している」と回答した割合が世代別に示されています。
- 18~29歳:20.0%
- 30~39歳:23.8%
- 40~49歳:31.8%
- 50~59歳:35.9%
- 60~69歳:33.0%
- 70歳以上:38.3%
年齢が上がるにつれて、不満を感じる割合が高まる傾向が見られます。
同調査では、「所得や収入にどの程度満足していますか」という質問に対し、70歳以上の回答者のうち42.3%が「やや不満」、さらに19.2%が「不満」と答えていることが明らかになっています。
次章では、70歳代の単身世帯の金銭事情について詳しく見ていきましょう。