物価の上昇は、現役世代の家計だけでなく、年金生活者にも影響を与える可能性があります。
老後の生活において主な収入源となるのは公的年金です。では、実際にどの程度の年金を受け取ることができるのでしょうか。
年金受給額は個人によって異なりますが、老後資金の準備を考える上で重要なポイントとなります。
物価の上昇が続く中、将来の生活に備える対策を考えるためにもぜひ参考にしてみてください。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 公的年金の基本を完全ガイド｜厚生年金と国民年金の違いと仕組みをわかりやすく
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」という二つの制度で構成されており、これらは「2階建て構造」と呼ばれています。
「国民年金と厚生年金」のそれぞれの特徴について、次章にて確認していきましょう。
1.1 国民年金（1階部分）の特徴をチェック
国民年金は、基本的に日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない年金制度です。
保険料は一定額で毎年見直されており、年金の受給額は保険料の納付期間に基づいて決定されます。
仮に40年間未納なく保険料を納めた場合は満額が支給され、2025年度の満額支給額は月額6万9308円となっています。
1.2 厚生年金（2階部分）の特徴をチェック
公務員や会社員の方は、国民年金に加えて厚生年金にも加入しています。
厚生年金の保険料は、給与やボーナスなどの報酬額に応じて決まり、一定の上限があります。
受け取る年金額は、加入期間や支払った保険料の総額に基づいて算出され、国民年金の給付に上乗せされて支給されます。
では、現代のシニア世代が実際に受給している年金額はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢ごとの国民年金および厚生年金（国民年金分を含む）の平均受給額を見ていきましょう。
