5. 「高額療養費制度」の自己負担引き上げの行方にも注視

本記事でご紹介したように、後期高齢者医療制度の保険料は上昇傾向にあります。加えて、2026年4月からは「子ども・子育て支援金」が保険料に上乗せする形で徴収がスタート。

高齢者世帯に限ったことではありませんが、国民の負担は増える一方です。

また、高齢者を取り巻く医療事情で、話題となっているのが「高額療養費制度の自己負担引き上げ」です。

高額療養費制度とは、高額な治療を受けた場合に、患者の負担が重くならないよう年齢や年収に応じて、ひと月あたりの医療費の自己負担に上限を設けている制度です。

日本の医療構造の柱となる高額療養費制度ですが、2024年12月に自己負担部分の見直しが政府から発表されました。当初は2025年8月から自己負担の引き上げを予定していましたが、自己負担の上がる患者の家計や受診への影響を丁寧に分析する必要があることから、3月7日、石破首相は本件について全面凍結を表明。

今年の秋までに再検討して結論が出る予定です。

高額療養費制度の自己負担が引き上げられると医療費の負担は増加します。

老齢年金や貯蓄で生活する高齢者世帯にとっては、生活が圧迫されるリスクが生じるでしょう。

こうした制度の改正にも注視し、家計の見直しも検討していく必要があります。

参考資料

和田 直子