厚生労働省が毎年発表する「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2023年度末現在の老齢年金の平均月額は、国民年金が5万7584円、厚生年金（国民年金を含む）が14万6429円でした。
年金受給額は現役時代に加入する年金の種類や、保険料納付状況などにより個々で異なりますので「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できる加入記録から、自身の見込受給額をシミュレーションしておくと良いでしょう。
なお、老齢年金からも税金や社会保険料が引かれることを想定しておく必要があります。
本記事では、老齢年金から引かれる税金・社会保険料について解説していきます。
1. 日本の「公的年金制度」の概要や仕組みを整理しよう！
まずは、日本の「公的年金制度」の基本的な仕組みを振り返っておきましょう。
日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2つの柱から成り立っており、これらは階層的に構築されています。
1.1 国民年金（老齢基礎年金）とは
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する年金制度です。
保険料は全員一律で、40年間にわたって保険料を支払うことにより、老後に満額の年金を受け取ることができます。
ただし、未納や保険料の免除期間がある場合、その分年金額が減額されることに注意が必要です。
1.2 厚生年金（老齢厚生年金）とは
厚生年金は、公務員や会社員などが対象となる年金制度で、国民年金に加えて支給されるものです。
保険料は収入に応じて変動し、給与から自動的に天引きされます。
将来受け取る年金額は、加入期間や納めた保険料の総額に基づいて決まるため個人ごとに異なります。
日本では国民全員が年金制度に加入しているものの、実際に受け取る年金額はどの程度なのか気になるところです。
次章では、具体的な受給額について詳しく解説します。
