近年、コロナ禍や物価高騰などへの対応策として、住民税非課税世帯等などに向けた各種給付金の給付が実施されてきました。

こうした一時的な支援とは別に低所得の年金受給者を対象とする「年金生活者支援給付金」という制度があります。この制度は年金生活者の暮らしを支援するためのもので、受給には一定の要件を満たす必要があります。

今回は、この「年金生活者支援給付金」のあらましや、2025年度の給付額などについて整理しながらお伝えしていきます。

1. 低年金ならば支給対象かも?「年金生活者支援給付金」

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です(いずれも男女全体)

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただし、実際の受給額はグラフのように個人差があります。

厚生年金を月額25万円以上受け取る高額受給者もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯にちらばっていることが分かります。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合に「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があります。