秋の陽気になってきた9月も今日で終わり、明日からはやいもので10月になります。今年5回目の年金支給日は10月15日にあり、年金を主な収入とする年金生活者のシニア世代には心待ちにされる方もいると思います。そんなシニア世代の暮らしに向けて「貯蓄しておきたい…」と思っていても、毎月の生活に精一杯でなかなか貯蓄ができないという人もいるのではないでしょうか。
しかし、私たちが将来受け取れる年金だけでは、ゆとりあるセカンドライフを送るのは難しいのが現実です。老後資金の目標額を決め、現役のうちから計画的に資産形成をすることが大切になります。
本記事では、いまのシニア世代の平均貯蓄額や、老齢年金の平均受給額を確認していきます。記事の最後では、若い世代はもちろん、老後を間近に控えた世代にもおすすめの貯蓄法をご紹介します。
1. いまのシニア、60歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額はいくら?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに、60歳代の二人以上世帯が保有する金融資産額について確認してみましょう。
※ここで言う「金融資産額」には、預貯金だけでなく、株式や投資信託、保険商品など、さまざまな金融商品の残高が含まれる点にご注意ください。
- 平均:2033万円
- 中央値:650万円
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
60歳代の二人以上世帯における平均貯蓄額は2033万円と、かつて老後資金の目安とされた2000万円を上回っています。
しかし、より実態に近いとされる中央値は650万円にとどまり、世帯ごとの貯蓄状況には大きな差があることがわかります。
貯蓄額の内訳を見ると、「3000万円以上」を保有する世帯が20.0%存在する一方、「貯蓄ゼロ」の世帯も20.5%を占めており、資産格差の広がりが際立っています。
また、60歳代の貯蓄額には現役時代の努力の結果だけでなく、退職金や相続による一時的な増加も含まれているケースが見られます。
さらに、各家庭の家計状況はさまざまで、共働きを続けて貯蓄を増やしている世帯もあれば、すでに年金生活に入り貯蓄を取り崩している世帯もあるでしょう。
そのため、「老後はいくら必要か」といった金額を一律に示すのは難しいのが現実です。
多くの現役世代が漠然とした老後不安を抱えるなか、貯蓄額だけでなく、将来受け取る年金の金額も老後の生活設計において重要な判断材料となります。
次章では、現在のシニア世代が受け取っている年金の月額について、詳しく確認していきます。