3. 遺族年金も金額改定が実施された

また、年金額の改定に伴い、遺族年金でも改定が行われています。

日本の年金制度では、「国民年金の被保険者が死亡したとき」や「老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき」などに、その配偶者や子どもが遺族基礎年金を受け取ることができます。

2025年度の遺族基礎年金の年金額は、下記の通りです。

遺族基礎年金の年金額(令和7年4月分から)

遺族基礎年金の年金額(令和7年4月分から)

出所:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」

<子どもがいる配偶者が受け取る場合>

  • 昭和31年4月2日以後生まれ…83万1700円+子どもの加算額
  • 昭和31年4月1日以前生まれ…82万9300円+子どもの加算額

<子どもの加算額>

  • 1人目と2人目の子の加算額:各23万9300円
  • 3人目以降の子の加算額:各7万9800円

たとえば、昭和31年4月2日以後生まれで子どもが1人の場合、「83万1700円+23万9300円=107万1000円(月額8万9250円)」を受け取れる仕組みです。

なお、子どものみが受け取る場合は、下記の金額を子供の人数で割った金額が1人あたりの年金額となります。

  • 83万1700円+2人目以降の子の加算額

4. 年金改定を踏まえて生活設計を立てよう

2025年度の改定では年金額の引き上げが行われているものの、物価の上昇などを踏まえると生活のゆとりが増えるとはいえません。

具体的な年金支給額を知ることは、老後のライフプランを考える重要な一歩です。

より安心して老後を迎えるためには、年金制度の動向を理解したうえで早めの対策に取り組むことが大切です。今年度の改定をきっかけに、将来の生活設計について考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

椿 慧理