3. 老後の生活費は毎月どのくらい？
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上のおひとりさま世帯の生活費は、毎月14万9286円です。
実収入は13万4116円で、そこから社会保険料や税金などが差し引かれ、可処分所得（手取り額）は12万1469円となります。
手取り額が12万1469円で、生活費が14万9286円かかるため、毎月約3万円の赤字となる計算です。
仮に寿命が85歳だった場合、65歳からの20年間で720万円が不足します。ただし、これは生活費だけの話であり、長期間入院することになったり介護が必要になったりするなど、まとまった費用がかかる場合には不足分がさらに増加することが予想されます。
4. まとめにかえて
50歳代おひとりさま世帯で貯蓄額500万円あるのは、多い方といえます。しかし、年金だけで老後の生活費をカバーできない可能性があり、不足分を現役時代のうちに準備しておく必要があります。
貯蓄があまり進んでいない方は、給与からの先取貯蓄や個人年金保険などへの加入を検討してみましょう。さらに積極的に資産形成をしたい方は、NISAやiDeCoを利用するのもひとつの方法です。
ご自身の状況に適した方法で、早めに老後資金の準備にとりかかりましょう。
参考資料
- J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査（2024年）」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
木内 菜穂子
