「年金生活者支援給付金」は、所得が一定基準以下の方に支給される給付金です。

この制度は2019年10月から開始され、2024年11月の給付金件数は783万2927件にのぼります。

年金生活者支援給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」があり、受給している年金に応じていずれかが受け取れます。

今回の記事では、2025年度の年金生活者支援給付金額を詳しくお伝えします。合わせて、年金生活者支援給付金の平均給付金額、支給要件や対象者も解説しますので、さっそくみていきましょう。

1. 2025年度「年金生活者支援給付金」の給付基準額

年金生活者支援給付金は、低年金者の生活支援を目的として、年金に上乗せして支給されます。

給付金額は、前年度の物価変動率に基づいて改定され、2025年度に関しては2.7%引き上げられます。給付基準額(※月額)は以下のとおりです。

  • 老齢年金生活者支援給付金:5450円(前年度より140円増加)
  • 障害年金生活者支援給付金:1級 6813円(前年度より175円増加)・2級 5450円(前年度より140円増加)
  • 遺族年金生活者支援給付金:5450円(前年度より140円増加)

上記は基準額で、実際の金額は保険料納付済み期間などに応じて算定されます。

2. 年金生活者支援給付金の平均給付金額は?

年金生活者支援給付金の平均給付金額(※)は下記のとおりです。

  • 老齢年金生活者支援給付金:4139円
    (補足的老齢年金生活者支援給付金:2180円)
  • 障害年金生活者支援給付金:5731円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5230円
    ※2024年11月において認定されている支給分の平均給付金額(月額)

年金生活者支援給付金は、受け取っている年金の種類、保険料納付済み期間、世帯の状況など、それぞれの条件に応じて算定されますが、おおむね4000円~5000円ほど受け取れることがわかります。

では、実際にどのような方がこの給付金を受け取れるでしょうか。次章で確認してみましょう。

3. 「年金生活者支援給付金」を受け取れるのはどんな人?

年金生活者支援給付金を受け取れるのは、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のいずれかを受給している方で、いくつかの要件を満たした方です。

必要な要件を具体的に確認していきましょう。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の要件は以下のとおりです。

  • 65歳以上の老齢基礎年金受給者
  • 請求者と同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後生まれの方は78万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は78万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で、78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で、78万7700円を超え88万7700円以下である方には、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給される

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害年金生活者支援給付金の要件は以下のとおりです。

  • 障害基礎年金受給者
  • 前年の所得額(※1)が472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)以下

※1 障害年金等の収入は非課税なので、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれない
※2 同一生計配偶者のうち70歳以上の方、または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円

3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族年金生活者支援給付金の要件は、障害年金生活者支援給付金とほぼ同じです。

  • 遺族基礎年金受給者
  • 前年の所得(※1)が472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)以下

※1 遺族年金等の収入は非課税なので、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれない
※2 同一生計配偶者のうち70歳以上の方、または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円

4. 「年金生活者支援給付金」の計算方法

年金生活者支援給付金の計算方法は、各給付金ごとに異なります。

4.1 老齢年金生活者支援給付金・給付額の計算方法

老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間や保険料免除期間などに基づいて算出され、下記の➀と②の合計額になります。

➀保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円×保険料納付済期間/480月(※1)
②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1551円(※2)×保険料免除期間/480月(※1)
※1 昭和16年4月1日以前に生まれた方は、生年月日に応じて被保険者月数(480月)を短縮
※2 保険料免除期間に乗じる金額は、毎年度の老齢基礎年金の改定で変動

未納や免除期間がなければ、月額5450円を受け取れる計算になります。

4.2 補足的老齢年金生活者支援給付金・給付額の計算方法

老齢年金生活者支援給付金の支給により、給付金を受け取った方が受け取らなかった方より所得が多くなるという逆転現象が生じないようにするために給付されるのが、補足的老齢年金生活者支援給付金です。

老齢年金生活者支援給付金の計算式に、調整支給率を乗じて算出します。

5450円×保険料納付済期間/480月(※1)×調整支給率(※2)
※1 昭和16年4月1日以前に生まれた方は、生年月日に応じて被保険者月数(480月)を短縮
※2 昭和31年4月2日以後生まれの方(88万9300円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
昭和31年4月1日以前生まれの方(88万7700円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円

4.3 障害年金生活者支援給付金・給付額

1級 6813円/月
2級 5450円/月

4.4 遺族年金生活者支援給付金・給付額

5450円/月
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、5450円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われる

5. 年金生活者支援給付金の手続きは?いつ受け取れる?

現在年金を受給中で、年金生活者支援給付金を受給する要件に合致する方には、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」が送付されます。送付時期は2025年9月頃からです。

また、これから年金を受け取る予定の方は、65歳になる3カ月前に年金受給に関する案内が送付されます。案内には給付金の請求書も同封されているので、必要な手続きをおこないましょう。

世帯構成の変更など、事情によっては自分で手続きが必要な場合もあります。不明点があれば、年金事務所に確認することをおすすめします。

給付金の支給が認められれば、年金支給日と同じ日に、年金受け取りの指定口座に給付金が振り込まれます。要件に合致するかぎり支給は継続されるので、次年度以降の手続きは原則として不要です。条件に合致しなくなれば、支給はストップします。

6. まとめにかえて

今回は年金生活者支援給付金について、給付金の計算方法、支給の対象者などについて、お伝えしました。

制度の詳細や手続きの方法などは、ホームページで確認できるほか、給付金専用ダイヤルも設けられています。不明点が解消しない場合などは、問い合わせてみるのもよいでしょう。

参考資料