今月は年金の支給月。2025年度の年金額は、前年度より1.9%アップする見込みです。年金額が増えるのは嬉しいことですね。

とはいえ、年金額は会社勤めの有無やその期間、保険料の納付期間など、個々の事情によって受給額の差が生じやすい仕組みです。実際にシニアの方々がいくら受け取っているのかは気になるところです。

そこで今回の記事では、新たに改定された2025年度の年金額について、また、厚生労働省が2024年12月に発表した資料から、国民年金と厚生年金の平均年金額について解説します。さっそくみていきましょう。

1. 年金額は前年度より1.9%増!3年連続で上昇

4月に入り、2025年度がいよいよスタートしました。厚生労働省の発表によると、2025年度に支給される年金は、前年度より1.9%引き上げられ、受給額がアップします。2023年度、2024年度に続き、3年連続の上昇です。

たとえば、老齢基礎年金であれば、前年度より1人当たり1308円アップして、受給額が6万9308円に(※保険料を全て納めた場合)。また、老齢厚生年金と二人分の老齢基礎年金を受け取る夫婦世帯の場合は、受給額が前年度より4412円アップして、23万2784円となります。

このように、年金額は物価や手取り賃金(名目)の変動率に応じて、毎年改定されています。

物価や賃金の変動が年金額にも反映される仕組みですが、将来世代の年金水準を確保するため、マクロ経済スライド(※)による調整がおこなわれる場合があります。これにより、実際の年金額は物価や賃金の上昇より、低く抑えられています。※マクロ経済スライドに関しては、見直しや早期の終了が検討されています。