2025年4月15日は、公的年金支給日です。老後は、公的年金を収入の柱として生活するのが一般的ですが、年金額が十分でないという声は少なくありません。
現在のシニア世代は、老齢年金(国民年金・厚生年金)による収入だけで65歳以降の年金暮らしを過ごすことができるのでしょうか。
本記事では、厚生労働省の資料をもとに、老後の年金額がどのくらいかを確認していきます。あわせて現在、年金生活を送る無職夫婦世帯の1カ月の平均家計支出もご紹介。
老後対策の参考に、現在のシニア世代のお金事情を見ていきましょう。
1. 【リタイア夫婦の年金生活】65歳以上の無職夫婦世帯「ひと月の生活費」はいくら?内訳も!
2025年3月11日、総務省統計局は「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を公表しました。
ここから、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支データをのぞいてみましょう。
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- 諸雑費:2万2125円
- 交際費:2万3888円
- 仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯の場合、支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円です。
一方で、ひと月の収入は25万2818円。その約9割(22万5182円)を社会保障給付(主に公的年金)が占めますが、結果的には毎月3万4058円の赤字となり、貯蓄の取り崩しなどでカバーが必要です。
ただし上記の支出の内訳には「介護費用」がなく、住居費も1万円台となっています。世帯構成や健康状態により、さらに上乗せの出費を想定しておく必要もあるでしょう。
そこで次では「老齢年金世代」の貯蓄事情について見ていきます。