4. 現役世代から知っておきたい「繰上げ受給」のしくみ
一般的な老齢年金の受給開始年齢は65歳。ただし繰上げ受給の制度を使って60歳~64歳までの間で受け取ることができます。
家計の状況や健康状態などにより、65歳になる前に年金を受給したい場合に活用できる仕組みです。
繰上げ受給を選ぶと繰上げ月数に応じて支給額は減額され、その減額率は生涯続きます。減額率の計算式は以下の通りです。
- 繰上げ受給の減額率=繰り上げた月数×0.4%(最大24%)
年金額の面以外でも、障害年金を請求できなくなる場合がある点や、国民年金の任意加入や保険料の追納ができなくなる点など、いくつかのデメリットがあります。
また、一度繰上げを請求すると取り消すことができません。活用を考えた場合、メリットとデメリットを理解したうえで、慎重に検討していくことが必要となるでしょう。
5. 将来の年金額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しよう!
今回は、年金のしくみの基本や、60歳から90歳以上の各年齢の平均年金月額を眺めたあと、年金の繰上げ受給についても触れました。
「国民年金のみを受給する人」と「国民年金+厚生年金を受給する人」では、おのずと年金水準が異なります。また、厚生年金を受け取る場合でも、現役時代の年収や年金加入期間により個人差がつきます。
今回ご紹介したデータはあくまでも平均額。ご自身の年金加入状況は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握しておきましょう。
参考資料
- 帝国データバンク 「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年4月 2025年4月の値上げ、4225品目 1年6カ月ぶりに4千品目超える 年間累計は1万1707品目、前年実績の9割を超える
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金・国民年金事業の概況」
吉沢 良子