老後に受給する年金にも「額面」と「手取り」があるのをご存じでしょうか。
リタイア後の大切な収入源となる年金ですが、給与などと同じように税金や社会保険料が引かれます。
50歳以上になると、日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」やWeb上で年金記録が確認できる「ねんきんネット」で老齢年金の種類と見込額を確認できます。しかし、この金額は見込額であることに加え「額面」となる点に留意しましょう。
老後の生活設計は「手取り額」ベースで考えておく必要があります。
本記事では、老齢年金から引かれる税金や社会保険料について解説していきます。老後対策の参考にご確認ください。
1. 日本の「公的年金制度」の概要や仕組みを整理
まずは、日本の「公的年金制度」の基本的な仕組みを振り返っておきましょう。
日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2つの柱から成り立っており、これらは階層的に構築されています。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)とは?誰が受け取れる?
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する年金制度です。
保険料は全員一律で、40年間にわたって保険料を支払うことにより、老後に満額の年金を受け取ることができます。
ただし、未納や保険料の免除期間がある場合、その分年金額が減額されることに注意が必要です。
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)とは?誰が受け取れる?
厚生年金は、公務員や会社員などが対象となる年金制度で、国民年金に加えて支給されるものです。
保険料は収入に応じて変動し、給与から自動的に天引きされます。
将来受け取る年金額は、加入期間や納めた保険料の総額に基づいて決まるため個人ごとに異なります。
日本では国民全員が年金制度に加入しているものの、実際に受け取る年金額はどの程度なのか気になるところです。
次章では、具体的な受給額について詳しく解説します。