3. 65歳以降の夫婦二人世帯の収支

ここまで説明した収支をみてみると、65歳以上の夫婦二人世帯において、毎月の生活には赤字が出るという結果になっています。

さらに、この支出額は2024年時点の統計に基づいており、昨今の物価高騰の影響を考慮すると、2025年はさらに支出が増加することが予想されるため、赤字幅も拡大する可能性があります。

リタイア後は年金以外の収入を得ることが難しいため、それまでに貯蓄をしておくことや、老後の支出を見直すことにより、家計を維持する必要があります。

4. 支出の見直し方法

収入が増えることが少ない老後生活を安心して送るためには、支出の見直しが不可欠です。次に、主要な支出項目について、具体的な見直し方法を考えてみましょう。

4.1 食料費

食費は消費支出全体の約3割を占め、家計の中で最も大きな割合を占めています。食事は毎日のことであるため、少しの工夫を積み重ねることが重要です。

さらに、楽しみながら節約できる方法を見つけることで、苦しい思いをせずに費用を抑えることもできます。例として、少し遠くの安いスーパーまで散歩をしてみる、旬の食材を積極的に取り入れる、手の込んだ自炊をしてみる、などといったことが挙げられます。

4.2 光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道といった、生活に欠かせないライフラインにかかる費用です。生活に支障が出過ぎないように、無理のない範囲で節約を心がけることが重要です。例として、使っていない部屋の電気をこまめに消す、シャワーや水道を出しっぱなしにしない、といったことが挙げられます。

4.3 教養娯楽費

教養娯楽費は、趣味やレジャーなど、生活を豊かにするために必要な費用です。なくても生きていけるものではありますが、無理に我慢するのではなく、費用を抑えながら楽しめる方法を見つけて、老後の生活の質を下げずに支出を下げていきましょう。例えば、公共施設を利用する、割引クーポンを活用する、などが考えられます。