新年度がスタートし、新たなチャレンジを始めた人もいるのではないでしょうか。

内閣府が2025年1月9日に公表した「国民生活に関する世論調査(令和6年8月調査)」によると、「資産・貯蓄に対する満足度」の質問に対し、満足していると答えた人が28.6%、不満だと答えた人が70.7%と、不満を感じている人が7割を占めていることがわかりました。特に40代で不満と答えた人は79.8%と約8割にも及んでいます。

資産や貯蓄額を増やそうと決めた人も多いと思いますが、そのためにはどのような手段があるのでしょうか。

実は、収入が多いことと貯蓄額には関係がないことがわかっています。平均年収200万円未満でも貯蓄額が500万円を超えるケースがある一方で、高収入層でも貯蓄が思うように進まない人がいるのが現実です。

今回は、元銀行員の筆者がこれまで多くの人と接する中で気づいた貯蓄上手な人と貯蓄下手な人の行動について、比較しながらご紹介していきます。

1. 貯蓄額は年収に比例するとは限らない

【写真6枚】貯蓄額と年収の関係は?貯蓄上手なお金の使い方も図解1/6

微笑む男性

出所:metamorworks/istockphoto.com

「貯蓄がたくさんある人」と「そうでない人」の違いというと、多くの人が収入の差を思い浮かべるかもしれません。

しかし、貯蓄額は必ずしも収入だけに左右されるわけではありません。

2024年9月に総務省統計局が発表した「家計調査年報(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均年収と貯蓄は以下の通りとなっています。

1.1 年収レンジ別の平均貯蓄額(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)

年収が高ければ貯蓄が多いというわけでもない2/6

貯蓄額の差の写真

出所:Hyejin Kang/shutterstock.com

  • 平均年収200万円未満:平均貯蓄額543万円
  • 平均年収200万~250万円:平均貯蓄額1164万円
  • 平均年収250万~300万円:平均貯蓄額716万円
  • 平均年収300万~350万円:平均貯蓄額783万円
  • 平均年収350万~400万円:平均貯蓄額827万円
  • 平均年収400万~450万円:平均貯蓄額875万円
  • 平均年収450万~500万円:平均貯蓄額987万円
  • 平均年収500万~550万円:平均貯蓄額1033万円
  • 平均年収550万~600万円:平均貯蓄額1061万円
  • 平均年収600万~650万円:平均貯蓄額1040万円
  • 平均年収650万~700万円:平均貯蓄額1263万円
  • 平均年収700万~750万円:平均貯蓄額1285万円
  • 平均年収750万~800万円:平均貯蓄額1346万円
  • 平均年収800万~900万円:平均貯蓄額1540万円
  • 平均年収900万~1000万円:平均貯蓄額1880万円
  • 平均年収1000万~1250万円:平均貯蓄額2029万円
  • 平均年収1250万~1500万円:平均貯蓄額2418万円
  • 平均年収1500万円以上:平均貯蓄額4014万円

いかがでしょうか。

このように、平均年収が多くなるにつれて平均貯蓄額も増える傾向にはありますが、必ずしも年収が高ければびっくりするような貯蓄ができるということでもなさそうです。

1.2 年収200万~250万世帯の平均貯蓄額は1164万円

平均年収200万~250万円世帯を見てみると、平均貯蓄額1164万円と突出していることがわかります。

平均年収が倍の400万~500万円世帯と比較しても、平均貯蓄額は高く、年収と貯蓄額は関係がないのではないかと思う人も多いでしょう。

貯蓄が上手な人は、年収に関わらず、ある習慣があるように感じます。

ここからは、元銀行員が今まで見てきた貯蓄上手な人の共通点についてご紹介していきます。

2. 「貯蓄上手 VS 貯蓄下手」違いが分かる行動3選

貯蓄上手な人には、実はある共通した特徴があります。

ここからは、筆者が銀行員としての経験で見た貯蓄上手な人のやりがちな行動と、その改善ポイントを紹介していきます。

2.1 「貯蓄上手 VS 貯蓄下手」違いが分かる行動(その1):毎月の「固定貯蓄額」を先取りで確保する

収入から貯蓄や投資分を引いた残りのお金でやりくりしよう3/6

お金の上に並ぶ人の写真

出所:金融庁「資産形成の基本」

貯蓄下手な人は、毎月の手元に残った分を貯金しようとするため、気づけば使い切ってしまうことも珍しくありません。

そこで効果的なのが、「先取り貯蓄」です。給料が振り込まれたら、まず一定額を貯蓄用の口座に移し、それ以外の金額で生活するという方法です。自動積立機能を活用すると、手間をかけずに習慣化することができ、貯蓄が継続しやすくなります。

貯蓄が上手な人の多くは、「余ったお金を貯金する」のではなく、「貯蓄を最優先にする」という習慣を持っています。貯蓄の目的を明確にしておくと、貯蓄のモチベーションが維持しやすくなると話していた方が多くいました。

2.2 「貯蓄上手 VS 貯蓄下手」違いが分かる行動(その2):お金の「マイルール」を持っている

お金を使うときに基準となるマイルールを作りましょう4/6

勉強する写真

出所:west/shutterstock.com

貯蓄下手な人は、日々「何となく」お金を使ってしまうことが多く、気づかないうちに出費が増え、貯蓄が思うように進みません。

貯蓄ができる人は、お金の使い方に一貫したルールを持っていることが多いです。

たとえば、「1万円以上の買い物は3日考える」「衝動買いは月に1回まで」「外食は週2回まで」といったマイルールを設定すると、無駄な支出を減らしやすくなります。

これは節約のためだけでなく、自分にとって本当に価値のあるものは何かに向き合うことができる効果もあります。

2.3 「貯蓄上手 VS 貯蓄下手」違いが分かる行動(その3):「モノより経験」にお金を使う

消費よりも投資目的を意識する5/6

男女が笑う写真

出所:Jacob Lund/shutterstock.com

貯蓄下手な人は、貯蓄することばかりを考えてストレスをためてしまう人も少なくありません。

貯蓄上手な人は、意外とそこまで貯蓄の意識は高くありません。

「お金の使い方」に対する意識が高いことが特徴です。特に、「モノを買うよりも経験に投資する」傾向があります。

例えば、高級ブランドのバッグを買う代わりに、自己成長につながるスキルアップ講座を受講したり、思い出に残る旅行に出かけたりすることで、長期的な満足度が高まると考えています。

経験にお金を使うことは、将来的に収入アップにもつながる可能性があるため、「お金の使い方」を見直すことで、貯蓄と自己投資を両立できるようになるでしょう。

3. まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。

貯蓄を増やすためには、年収を増やすか、資産形成を取り入れるかなど、収入を増やす方法を考える人が多いのではないでしょうか。ですが、収入額が多ければ貯蓄が多いというわけではないことがわかりました。

年収の額に関係なく貯蓄がうまくいく人は、日々の生活の中でちょっとした工夫を積み重ねています。

これまでの自分のお金の使い方を見直してみてください。

今回の記事を参考に、貯蓄下手な人の行動に当てはまるものがある、と思った場合は、少しずつ貯蓄上手な人の行動を取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。

毎日の生活を少しずつ見直しながら、自分に合った貯蓄スタイルを見つけていきましょう。

定期的に貯蓄スタイルを見直すことが必要です6/6

計算する写真

出所:takasuu/istockphoto.com

参考資料

三石 由佳