株式市場の振り返り-日経平均株価は反発、一時マイナスも下値を固める値動き続く

2018年10月16日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,549円(+277円、+1.3%) 反発
  • TOPIX 1,687.9(+12.4、+0.7%) 反発
  • 東証マザーズ総合指数 972.1(+1.3、+0.1%) わずかに反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,112、値下がり銘柄数:910、変わらず:87
  • 値上がり業種数:25、値下がり業種数:7、変わらず:1
  • 年初来高値更新銘柄数:9、年初来安値更新銘柄数:275

東証1部の出来高は12億6,021万株、売買代金は2兆4,823億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国NY市場が反落したことで模様眺めムードが強まり、積極的な売り買いは控えられたようです。ただ、売買代金は概ね2兆5,000億円レベルにあり、閑散相場という状況ではありませんでした。

そのような中、日経平均株価は下値を固める値動きとなりました。前日の大幅安の反動もあり、寄り付きから高く推移しましたが、後場の寄り付き直後に一瞬マイナス圏に沈む場面も見られました。しかし、すぐに切り返して、結局は高値引けで終わっています。

なお、TOPIXも同じような値動きで反発となりましたが、上昇率は日経平均株価を大きく下回りました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への買い戻しが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数はわずかに反発、売買代金は3日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,114万株、売買代金は787億円となりました。出来高は前日より増えましたが、売買代金は小幅減少となっています。新興市場では大型株市場と同様に様子見スタンスが強まった結果、売買代金は3日連続で1,000億円を大きく下回る商いとなりました。

また、総合指数もわずかな上昇に止まるなど、個人投資家の物色意欲が回復していないことを示していると言えましょう。

ソフトバンクGとファストリ株が急反発、訪日客減少のインバウンド銘柄は軒並み大幅安

個別銘柄では、前日に急落したソフトバンクグループ(9984)とファーストリテイリング(9983)がともに急反発となり、ファナック(6954)も大幅高となりました。

また、前日に年初来安値更新となったトヨタ自動車(7203)とホンダ(7267)が大幅反発となり、スズキ(7269)やSUBARU(7270)など自動車株が概ね買い戻されたようです。

その他では、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株や、三菱地所(8802)など不動産株に大きな見直し買いが入ったことが目を引きました。

一方、訪日外国人客の減少懸念から(注:その後に発表された9月実績は5年8カ月ぶりの減少に)、いわゆるインバウンド銘柄が軒並み大幅安となりました。

特に百貨店株の不振が目立ち、高島屋(8233)とJ.フロント リテイリング(3086)が年初来安値を更新し、三越伊勢丹ホールディングス(3099)も4日続落となりました。また、ピジョン(7956)が一時▲10%安に迫る暴落となり、良品計画(7453)が年初来安値更新となった他、エービーシー・マート(2670)、資生堂(4911)、花王(4452)なども売り込まれて引けています。

その他では、キーエンス(6861)とシャープ(6753)が年初来安値を付け、テルモ(4543)など医薬品株の一角も大幅安となりました。

新興市場では、デジタルメディアプロフェッショナル(3652)が値を飛ばしてストップ高となり、ロコンド(3558)も急伸して年初来高値を更新しました。一方、時価総額が最大のメルカリ(4385)が小幅続落となり、串カツ田中ホールディングス(3547)も反落で引けています。

葛西 裕一