6. 年金制度改革の関連法案について
年金制度にまつわる関連法案の国会提出が先送りされました。国会で提出されるか注目されていた年金制度改革関連法案の概要は、以下の通りです。
- 基礎年金の給付水準の向上
- 厚生年金の適用対象となる要件の拡大
- 在職老齢年金の見直し
とくに、在職老齢年金の見直しは大きな注目を集めていました。在職老齢年金は、老齢厚生年金を受け取りながら働いて収入を得ている人の年金を減額する制度です。原則「老齢厚生年金の月額」と「月給」の合計額が51万円を超えると、老齢厚生年金部分が減額します。
高齢者でも就労する人口が増え続けているため、在職老齢年金制度は廃止する方向で議論が行われてきました。法案が提出されれば、2026年4月にも制度を見直す予定でしたが、今後の方向性は不透明な状態です。
厚生労働省は、基準額を62万円に引き上げる方向で議論をしています。働く高齢者への年金給付額が増える一方で、将来的に年金を受け取る世代には深刻な問題です。働く高齢者への給付が増えるため、将来世代が受け取る年金額が引き下げられる可能性があります。
年金制度を変える議論は今後も活発になることが予想されるため、引き続き注目しておきましょう。
7. まとめにかえて
本記事では、年金生活者支援給付金について、制度の内容や対象者、給付基準額を確認してきました。
対象者には、日本年金機構から申請書が届きますので、記入の上、期日までに必ず提出しましょう。
申請をしない場合は対象者であっても1円も支給されませんのでご注意ください。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金のみの源泉徴収票は送付されるのでしょうか。」
9.
和田 直子