4月から会社に就職・転職する人は、厚生年金に加入します。また、パートとして働き始める人も、労働時間や賃金などによっては厚生年金の加入対象です。厚生年金に加入すれば、基礎年金とは別に年金を受け取れるため、老後の収入増加が期待できます。
厚生年金は、加入期間や現役時代の給料などによって受給額が決まります。基礎年金含めて年間300万円、月額25万円を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか。この記事では、厚生年金を年間300万円受給する人の割合を解説します。
1. 公的年金の仕組み
公的年金は「世代間の支え合い」の仕組みのもとに成り立っています。現役世代が納める保険料を、高齢者世代の給付に充てる形です。この仕組みは賦課方式と呼ばれています。賦課方式はインフレや賃金の変動など、経済情勢の影響を受けにくいですが、給付が増えるにつれて現役世代の保険料負担が重くなるのがデメリットです。
そして、年金制度は2階建てと呼ばれる仕組みとなっています。
1階は20歳以上になると日本国民全員が加入する国民年金です。65歳になると「老齢基礎年金」として受給します。身分や職業によって、以下の3つの区分に分かれています。
- 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
2階部分は厚生年金保険となっており、会社員や公務員などが加入する年金です。65歳になると「老齢厚生年金」として受給します。
このほか、一定の障がい状態となった場合は「障害年金」、被保険者が亡くなった場合は遺族に「遺族年金」が支給されます。障害年金・遺族年金も老齢年金と同じく2階建ての仕組みです。
次章では、厚生年金を月額25万円以上受給する人の割合を見ていきます。