2025年3月21日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分(2025年3月21日公表)」によると、総合指数は110.8、前年同月比で3.7%上昇しています。
物価の上昇により生活費を圧迫し、将来への不安を感じる人がいるのではないでしょうか。
今回は、60歳代おひとりさまの貯蓄事情として、平均貯蓄額や年金額、毎月の生活費について紹介します。
1. 【60歳代・おひとりさま世帯】貯蓄額の平均値と中央値は?
金融経済教育推進機構が公表している「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代おひとりさま世帯の貯蓄額は、平均値は1679万円、中央値は350万円です。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
- 金融資産非保有:27.7%
- 100万円未満:8.9%
- 100~200万円未満:5.6%
- 200~300万円未満:3%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.8%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.2%
- 1500~2000万円未満:2.6%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:16.8%
- 無回答:4.2%
- 平均:1679万円
- 中央値:350万円
60歳代のおひとりさま世帯で、貯蓄額が3000万円以上の世帯は16.8%を占めています。
一方、全く貯蓄がない金融資産非保有世帯は27.7%です。
貯蓄がない世帯と貯蓄を保有している世帯における、保有資産額の差が大きくなっています。
貯蓄平均値は上下の極端な数値も含んだ、データ全体の平均値です。
一方、中央値はデータ内の数値の中央に位置する数値を示しており、貯蓄額を参考にする場合、中央値のほうがより実態に近いとされています。
そのため、60歳代の平均的な貯蓄額は、平均値で全体の資産保有額を見つつ、現状の一般的な数値として中央値を参考にするとよいでしょう。