2025年3月21日に公表された総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分」によると、前年同月と比べ、電気代 9.0%、生鮮野菜 28.0%となっているなど物価が高騰しています。
そのため、毎月の生活費が圧迫されているご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、今の生活だけでなく、老後生活に向けた資金の準備を進めていくことも大切です。
年齢を重ねるごとにライフスタイルが変化する傾向にあるため「老後資金をどれくらい準備したらよいのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本記事では《65歳以上の夫婦》における1カ月の生活費について見ていきます。
平均の「年金月額と貯蓄額」や「2025年度の公的年金支給日」も解説しますので、老後資金の準備を検討する際の参考にしてください。
1. 《65歳以上の夫婦》平均的な家計収支「毎月の赤字」はいくら?
2025年3月11日に厚生労働省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上無職夫婦世帯では、ひと月約3万4000円の赤字が出ることが示されました。
元となるデータを見てみましょう。
1.1 65歳以上無職夫婦世帯の平均的な「家計収支」(2024年)
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- 諸雑費:2万2125円
- 交際費:2万3888円
- 仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯の場合、毎月の収入は25万2818円、そのうち約9割(22万5182円)が公的年金などの社会保障給付となっています。
一方で支出の合計は28万6877円。そのうち消費支出(いわゆる生活費)が25万6521円、非消費支出(税や社会保険料など)が3万356円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月3万4058円の不足分を、主に貯蓄の取り崩しなどで補填していくことになります。
なお高齢者世帯は持ち家率が高い傾向にあることから、「住居費」は1万6432円と低くなっています。賃貸住宅に住む場合は、家賃との差額を上乗せして考える必要があります。また、上記の支出項目には「介護費用」が含まれていません。
そこで頼りになるのはやはり「貯蓄」です。次では65歳以上世帯の貯蓄事情についても見ていきます。