2025年3月21日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年2月分」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で3.0%の上昇し、109.7となりました。

物価高騰が続くなか、2024年に政府は低所得世帯を支援するために「住民税非課税世帯」への3万円の給付を決め、現在各自治体で進行中です。

今回はこの給付金の内容を整理して、住民税非課税世帯となる「所得の目安」などについてもみていきます。

1. 【物価高騰】食料品値上げ続く…穀類は6カ月連続で過去最大の伸び率

「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年2月分」1/5

総務省は「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)2月分(中旬速報値)」

出所:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分」(2025年3月21日)

2025年3月21日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年2月分」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で3.0%の上昇し、109.7となりました。

特に、食料品の値上がりが目立ち、私たちの食卓に大きな影響を与えています。穀類は前年同月比21.9%の値上がりとなり、6カ月連続で過去最大の伸び率を更新しています。

前年同月比が高いものとして、日常生活になじみの深い下記のような品目が挙げられています。

  • キャベツ:130.5%
  • うるち米(コシヒカリを除く):81.4%
  • みかん:37.5%
  • チョコレート:30.4%
  • コーヒー豆:22.9%
  • ルームエアコン:14.9%
  • おにぎり:10.9%
  • 電気代:9.0%

これらの品目の値上がりは、日々の食費や光熱費を押し上げ、多くの家庭の家計を圧迫しています。

このように物価高騰の波が押し寄せる中、政府は昨年、物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯への支援策として「住民税非課税世帯への3万円給付金」を、2024年度補正予算(2024年12月成立)に盛り込みました。

3月現在、各自治体でその給付の手続きが進められています。

次章で、この給付金の概要を整理しましょう。

※対象世帯となる要件や、給付スケジュール、申請方法については、自治体により異なります。
ホームページや広報誌などで最新情報を確認してください。LIMOでは個別のお問い合わせ、ご相談への対応はいたしかねます。

2. 住民税非課税世帯への《3万円給付金》の概要を整理

住民税非課税世帯への《3万円給付金》子ども1人に2万円加算2/5

住民税非課税世帯への《3万円給付金》子ども加算あり

出所:内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」

この給付金は、物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯を支援するために、政府が実施するものです。住民税非課税世帯には、1世帯あたり3万円が給付されます。

支給対象となる世帯のうち子育て世帯には、18歳以下の児童1人につき2万円が「こども加算」として加算されます。

では、ここで挙がった「住民税非課税」とは、いったいどのような要件を満たす世帯なのでしょうか。公的な支援の対象要件となることが多い「住民税非課税」について、次章で確認していきましょう。

3. 個人住民税のしくみと住民税非課税世帯となる要件

個人住民税のしくみ3/5

個人住民税

出所:総務省「個人住民税

「住民税非課税世帯」とは、今回の給付金のような公的支援の対象基準としてよく使われる区分です。

住民税は、大きく分けて以下の2つから構成されます。「住民税非課税世帯」とは、これらの「均等割」と「所得割」の両方が免除されている世帯を指します(※)

  • 均等割: 所得に関係なく一律で課税される部分
  • 所得割: 所得に応じて税額が決まる部分

※なお「住民税の所得割のみ非課税となるケース」もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。

3.1 「住民税非課税世帯」とは?

ここで、住民税が非課税となる要件を見てみましょう。以下のいずれかに該当する場合です。

  1. 生活保護を受けている
  2. 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下
  3. 前年の所得が各市町村の定める基準を下回る

ただし、3つめの所得基準は自治体ごとに異なり、生活している地域によって基準額に違いがあります。

続いては、この所得の基準額について詳しく見ていきしょう。

4. 住民税非課税世帯となる「所得の目安」は?<栃木県真岡市の例>

前章で述べたように、住民税が非課税となる所得要件は自治体により異なっています。

ここでは、栃木県真岡市の例を見てみましょう。

4.1 住民税非課税世帯の要件(栃木県真岡市の例)

均等割も所得割もかからない人(住民税が非課税となる人)4/5

均等割も所得割もかからない人(住民税が非課税となる人)

出所:栃木県真岡市「住民税が非課税となる方(市民税・県民税が課税されない方)

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている人
(2) 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で前年中の合計所得金額が135万円以下の人
(3) 前年中の合計所得金額が【28万円×(本人+同一生計配偶者・扶養親族の人数)+10万円+17万円(※)】以下の人
(※)17万円は、同一生計配偶者または扶養控除の対象となる扶養親族を有する人について加算

真岡市の場合、単身世帯(同一生計配偶者や扶養親族がいない人)であれば、下記の計算式により、前年の合計所得金額が38万円まで、均等割がかからないことになります。

【28万円×(本人1+同一生計配偶者0+扶養親族0)+10万円=38万円】

ただし「所得」は、収入から各種控除がされたあとの金額です。収入換算の方がイメージしやすいかもしれませんね。

そこで住民税非課税限度額を、年収ベースで見ていきます。

4.2 住民税が非課税となる限度額(栃木県真岡市)

住民税が非課税となる限度額(栃木県真岡市)5/5

住民税が非課税となる限度額(栃木県真岡市)

出所:栃木県真岡市「住民税が非課税となる方(市民税・県民税が課税されない方)

栃木県真岡市の場合、扶養人数が0人の場合、アルバイトやパートなどの「給与収入」ならば、住民税非課税限度額は収「93万円以下」です。

一方、年金収入のみであれば住民税非課税世帯となる限度額は上がります。65歳未満は「98万円」ですが、65歳以上になると「148万円」にまで引き上がります。

非課税限度額は扶養家族の数が多いほど高くなり、さらに65歳以上では収入が年金のみの場合はさらに引き上げられています。こういった理由で、老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」となりやすいと考えられます。

5. シニア世帯が「住民税非課税世帯」になりやすいのはなぜ?

厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」を見てみると、

  • 60歳代:78.3%
  • 70歳代:64.1%
  • 80歳代:47.5%

と、年代が上がるごとに、住民税が「課税される世帯」の割合は下がっていきます。老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」となりやすいと言えるでしょう。

要因としては、現役時代よりも収入が減って住民税の課税基準を下回ることが多いからと考えられます。

また、遺族年金が非課税であることや、老齢年金には各種控除枠が大きく設けられていて課税対象となる所得が減少することも、要因の1つでしょう。

ただし、住民税非課税の判定の基準はあくまでも「収入」。

預貯金をたくさん持っているお金持ちシニアでも、年金収入が基準額以下で住民税非課税となる場合は、今回の給付金の支給対象に含まれることになります。

住民税非課税世帯に該当する世帯について見てきましたが、ここで注意したいのは、住民税非課税世帯は高齢者だけではなく、幅広い年齢層が含まれるという点です。

また、住民税非課税世帯が受けられる支援は、今回のような一時的な給付金だけではなく、多岐にわたります。下記のような公的な優遇措置についてもチェックしておくとよいですね。

  • 国民健康保険料(応益割)の減額
  • 介護保険料の減額
  • 国民年金保険料の免除・納付猶予
  • 幼児教育・保育の無償化
  • 高等教育の修学支援新制度

これらの支援措置を活用することで、生活費の負担を軽減することができるでしょう。

6. 【参考】国民年金は65歳になると自動的に受けられますか?

老齢年金世帯は「住民税非課税世帯」に該当しやすいとお伝えしました。ここでは、若い世代が最低限知っておきたい「年金」の基本について、説明します。

6.1 Q 国民年金は、65歳になると年金は自動的に受けられるのですか。

 →A 年金を受け取るには手続きが必要です!

年金は、自動的に支払われるものではありません。年金を受け取るためには、ご自身で手続きを行う必要があります。

国民年金の請求手続きは、お住まいの市区町村役所の国民年金窓口で行います。ただし、第3号被保険者期間がある場合は、年金事務所または街角の年金相談センターで手続きを行います。

原則として、65歳の誕生日を迎えた後から年金の請求手続きを行うことができます。

年金を受け取るためには、ご自身で手続きが必要であることを覚えておきましょう。

7. まとめにかえて

今回は住民税非課税世帯への給付金の内容を整理して、住民税非課税世帯となる「所得の目安」などについてもみてきました。

老後になってから生活に困らないように、老後資金は今のうちから貯めておきたいものです。

老後資金を効率的に備えるため、貯蓄だけではなく運用をしている人も増えていますが、資産運用にはリスクがつきものです。

ご自身に合った方法で、効率的に資産が増やせると良いですね。

参考資料