春を象徴する和菓子といえば、桜餅。3月から4月にかけては、和菓子屋をはじめスーパーやコンビニなど、さまざまなお店で見かけますよね。
実は関東と関西でそれぞれ違いがあることをご存じでしょうか?今回は関東と関西の桜餅の違いや、桜餅の分布について紹介します。
記事の内容にちなんで、2025年のお花見の予算についても掲載していますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
関東と関西の桜餅の違いは?
関東と関西の桜餅の違いとしてよく挙げられるのが、見た目です。関東の桜餅は餡子を薄くクレープ状に焼いた生地で巻いていますが、関西の桜餅は道明寺粉で餡子を包んだ丸いお餅のような形をしています。
桜餅の呼び方も違うようで、関東風のものを「長命寺」、関西風のものを「道明寺」と呼ぶこともあるのだとか。呼び方の違いには、使用する材料や発祥の地も影響しているそうです。
農林水産省の「うちの郷土料理」によると、使用している材料も一部異なるようです。関東の桜餅で使用しているクレープ状の生地は、小麦粉でできています。
関西の桜餅で使う道明寺粉は、蒸したもち米を乾燥させ、粗くひいたものです。同じ日本国内であるにも関わらず、東西で大きな違いがあるのは興味深いですね。
桜餅のアイデアが生まれたのは関東だった?
桜餅は、享保2年(1717)に現在の東京都墨田区周辺で生まれたと伝わっています。長命寺の門前を生活の拠点とし、寺の門番を務める山本新六という人物が考案したそうです。
長命寺のすぐ近くには隅田川が流れており、当時から桜の名所として知られていました。山本新六は土手に落ちる大量の桜の葉を掃除している最中に、桜餅を作ることを思いつきます。
それは塩漬けした桜の葉で餅を包んだ、桜の香りと餅を同時に楽しめるというもの。「塩漬けした桜の葉で餅を包む」という発想は、後に関西まで伝わりました。
桜餅はたちまち評判となり、花見客の人気商品にまで成長。山本新六は桜餅のお店「山本や」を創業し、そのお店は現在も隅田川のそばで営業を続けています。