4. 【年金の基本知識】年金を受け取り始める年齢になったらどうなるの?

ここでは、知っておきたい年金の基本について説明します。

原則として、65歳の誕生日を迎える3カ月前になると、日本年金機構から老齢年金請求書(事前送付用)が送られてきます。

そこにはあらかじめ、ご自身の基礎年金番号や加入記録などが印字されています。

なお、年金の受給開始年齢は原則として65歳ですが、特別支給の老齢厚生年金の支給対象となる場合には65歳を待たずに年金請求書が届きます。

「特別支給の老齢厚生年金」を受け取るための要件は、下記すべてを満たしていることです。

  • 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと
  • 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと
  • 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること
  • 厚生年金保険等に1年以上加入していたこと
  • 生年月日に応じた受給開始年齢に達していること

※「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢は、生年月日と性別に応じて異なります。詳しくは日本年金機構のホームページでご確認ください。

請求書が送られてきたら、同封のパンフレットの提出方法を確認して提出します。提出しないと年金を受給することができませんので、注意しましょう。

※ご注意 なお、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受けている方が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わり、新たに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けることになります。この場合は改めて「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」の提出が必要です。

5. まとめにかえて

公的年金は老後の生活を支える大切な制度ですが、それだけで十分な暮らしを送るのは難しいと感じる人も少なくありません。

こうした背景から、最近では新NISAをはじめとした資産形成に取り組む人が年代を問わず増えています。

ただし、金融商品を用いた資産運用には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性もあります。将来に備えて投資を始める際は、制度や商品の仕組みなどについて正しく理解したうえで、自分に合った方法で無理なく続けていくことが大切です。

資産運用について疑問点があれば、専門家に相談するのも良いでしょう。運用を取り入れるメリット・デメリットを整理してゆとりある資産が築けるように取り組んでみてください。

参考資料

渡邉 珠紀