3.2 年金受給額と実際に振り込まれる金額は異なる
前述したように4月15日に標準夫婦で「約46万円」支給されると言及しました。ただし、約46万円の年金が支給されても、銀行口座に振り込まれる実際の金額は異なるので注意が必要です。
なぜなら、公的年金は税金などを天引きして支給されるからです。具体的には、住民税・介護保険料・国民健康保険料などが天引きされます。
また、一定金額を超える公的年金を受給する場合は、所得税および復興特別所得税が課税されるケースもあります。65歳未満なら108万円、65歳以上であれば158万円以上の老齢年金を受けると税金が徴収される仕組みです。
年金額の改定により、受給金額は増えますが税金などが差し引かれることを考慮して、計画的に使うのが大切です。
4. まとめにかえて
4月15日に標準夫婦が約46万円支給される理由や、前年度からどれくらい年金受給額が増えるのかを中心に解説しました。
年金は物価の状況などに応じて毎年改定されます。ただし、マクロ経済スライドが導入されたり税金が天引きされたりと、物価上昇に対して年金所得だけで家計をカバーするのが難しくなっています。
そのため、年金以外の収入源を確保する目的で資産運用などを検討するのも選択肢のひとつです。お金のプロに相談したうえで自身の状況に適した準備を始めてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」
- 厚生労働省「給付と負担をバランスさせる仕組み」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「老齢年金から源泉徴収される所得税の控除を受けるとき」
湯田 浩平