財務省によると、2025年度の国民負担率は46.2%になる見込みであることがわかりました。
国民負担に財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」は48.8%となる見通しですが、過去の推移はどうなっているのでしょうか。
実は、2025年度から健康保険料が値上げされる都道府県もあります。
全国健康保険協会(協会けんぽ)では都道府県ごとに医療費を反映して健康保険料率を設定するため、地域によって異なるのです。
自分の対象地域ではどうなのか、詳しくみていきましょう。
1. 2025年度(令和7年度)の国民負担率を公表
財務省は2025年3月5日、2025年度(令和7年度)の国民負担率を公表しました。
これによると、国民負担率は、46.2%となる見通しです。
- 2023年度(実績):46.1%
- 2024年度(実績見込み):45.8%
- 2025年度(見通し)46.2%
ただし、2024年度の定額減税による影響を除けば、租税負担率及び国民負担率ともに小幅の低下となるとしています。
このうち、租税負担は28.2、社会保障負担は18.0です。
さらに財政赤字(2.6%)を加えた潜在的国民負担率は48.8%となる見通しとなります。
社会保障負担率には年金保険料や健康保険料などが含まれます。
これらも少なくない負担ですが、2025年度に健康保険料が値上げとなるケースもあります。次章でくわしく見ていきましょう。
2. 都道府県で異なる「全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率」
健康保険にはいくつか種類があるますが、主に中小企業で働く従業員やその家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、都道府県ごとの支部により健康保険料率が異なります。
2.1 保険料率が高い支部の例
- 佐賀支部:10.78%
- 徳島支部:10.47%
- 長崎支部:10.41%
2.2 保険料率が低い支部の例
- 沖縄支部:9.44%
- 新潟支部:9.55%
- 岩手支部:9.62%
- 福島支部:9.62%
2025年度から保険料率が値上げされる都道府県もあるので注意が必要です。
3. 2025年度(令和7年度)の健康保険料率が上がる都道府県の一覧
全国健康保険協会(協会けんぽ)において、健康保険料率が前年度より上がる都道府県は以下のとおりです。
- 北海道
- 青森県
- 宮城県
- 秋田県
- 福島県
- 茨城県
- 栃木県
- 千葉県
- 新潟県
- 富山県
- 長野県
- 岐阜県
- 愛知県
- 三重県
- 滋賀県
- 和歌山県
- 鳥取県
- 島根県
- 岡山県
- 広島県
- 山口県
- 徳島県
- 愛媛県
- 高知県
- 佐賀県
- 長崎県
- 宮崎県
- 鹿児島県
例えば北海道の場合、現在は10.21%ですが2025年度は10.31%となります。
一方で、健康保険料が引下げになる都道府県もあります。
4. 2025年度(令和7年度)の健康保険料率が下がる都道府県の一覧
以下の都道府県では、健康保険料率が下がることが決まっています。
- 岩手県
- 山形県
- 群馬県
- 埼玉県
- 東京都
- 神奈川県
- 石川県
- 福井県
- 山梨県
- 静岡県
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 奈良県
- 香川県
- 福岡県
- 熊本県
- 沖縄県
変わらないのは大分県のみ。他の都道府県では料率が変わることとなりました。
特に値上げになる都道府県の場合、結果的に給与の手取りが減る可能性もあるでしょう。
※40歳以上では介護保険料が上乗せされます。
5. 国民健康保険料も負担は重い
公的な健康保険は他にもあります。例えば自営業者やフリーランスなどは、地方自治体が運営する国民健康保険に加入します。
では国民健康保険料はいくらなのでしょうか。
一例として、名古屋市における2024年度の保険料例(所得別)を見てみましょう。
【所得:年間保険料(介護分あり)】
- 0円:8万1030円
- 25万円:8万1030円
- 50万円:9万990円
- 75万円 :12万6570円
- 100万円:16万2140円
- 125万円:19万7720円
- 150万円:23万3290円
- 175万円:26万8870円
- 200万円:30万4440円
- 225万円:34万20円
- 250万円:37万5590円
- 275万円:41万1170円
- 300万円:44万6740円
- 325万円:48万2320円
- 350万円:51万7890円
- 375万円:55万3470円
- 400万円:58万9040円
- 425万円 :62万4620円
- 450万円:66万190円
- 475万円:69万5770円
- 500万円 :73万1340円
- 525万円:76万6920円
- 550万円:80万2490円
- 575万円:83万8070円
- 600万円:87万3640円
- 625万円:90万9220円
- 650万円:94万4790円
- 675万円:98万370円
- 700万円:101万5940円
- 750万円:103万1560円
- 800万円:104万5410円
- 850万円:105万9260円
- 900万円:106万円
国民健康保険料でも毎年上限額の引上げが行われており、今後も負担が高まる可能性があります。
6. まとめにかえて
国民負担率は高まる一方であり、年収が増えても家計が楽になったと実感することは少ないかもしれません。
社会保険料は税金のように節税の方法があまりないため、負担に感じる方も多いでしょう。
給与明細などには目を通し、何のお金がどれほど天引きされているのか、まずは知ることも大切です。
参考資料
- 財務省「令和7年度の国民負担率を公表します」
- 財務省「国民負担率(対国民所得比)の推移」
- 協会けんぽ「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
- 協会けんぽ東京支部「令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 名古屋市「令和6年度 名古屋市国民健康保険料 概算早見表」
太田 彩子