お金の情報の入手先が変わりつつあるようです。
サラリーマン1万人アンケートでは、2015年から「お金の情報を入手する際に最も使っている経路はどこか」を聞いてきました。2018年4月の調査の結果を、2015年の結果と比較をしたものが下の表です。
お金の情報を求める人が増加
まずは「特に情報は入手していない」との回答が42.5%から39.5%へと3.0ポイントも減っていることが特徴として挙げられます。調査対象者のうち、投資をしていると回答している人がこの期間に30.4%から33.9%へと増加していることが影響しているのではないかと思われます。
20代ではSNSへの志向が一気に高まる
「情報を入手していない」人が減った分、増えているところを探すと、FacebookやTwitterといったSNSの利用だということがわかります。
正直なところ、SNSなどは「その情報に強いコミットメントがあるとは思えなかった」ことから、お金の情報の入手先としては力不足ではないかとみていたのですが、20代を中心に2015年比で6.4ポイントも増えていました。若年層へのアプローチにやはりSNSは欠かせないチャネルになってきているようです。
30-40代は金融機関のウェブサイトを重視
もう一つの特徴はTVの情報番組への依存が低下し、金融機関のウェブサイトへの依存が高まっていることです。なかでも30代、40代をみると、金融機関のウェブサイトを選んだ人の比率がTVの情報番組を選んだ人の比率を逆転していることがわかります。その結果、全体で金融機関のウェブサイトを選んだ人が13.7%と、TVの情報番組を選んだ人の13.8%に、並ぶところまで来ました。
デジタル情報への志向が全体として高まっているのは時代の流れとして理解しやすいところですが、それを加速しているのは、つみたてNISAやiDeCoといった若年層の志向に合った制度の導入とそれを推進しているオンライン証券の動きが奏功している点も見逃せません(『活用が進む「つみたてNISA」、利用者はどんな人?』参照)。
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合同会社フィンウェル研究所代表 野尻 哲史