2025年3月11日、総務省は「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を発表。

公的年金を主な収入源として暮らす65歳以上無職世帯の家計収支は、夫婦世帯で毎月3万4058円、単身世帯で毎月2万7817円の赤字であることがわかりました。

老後にこの赤字を補填する主な方法が貯蓄の取り崩しです。では、いまのシニア世代は貯蓄をどのくらい保有しているのでしょうか。

本記事では、60歳代、70歳代の平均貯蓄額と中央値を確認していきます。老後が目前に迫る50歳代の貯蓄事情もあわせてみていきましょう。

1. 【50歳代・60歳代・70歳代】貯蓄2000万円以上の割合は?

J-FREC 金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯(2024年)」を基に、50~70歳代で貯蓄が2000万円以上の世帯が占める割合とその平均・中央値について確認してみましょう。

※なお、貯蓄額には日常的な支出や引き落としに備えている普通預金の残高は含まれていません。

  • 50歳代:17%
  • 60歳代:28%
  • 70歳代:27.9%

50歳代では17%の世帯が2000万円以上の貯蓄を持っていますが、60歳代と70歳代ではその割合が約30%となり、おおよそ3世帯に1世帯が2000万円以上の金融資産を保有していることが分かります。

さらに、これらの世帯の平均値と中央値は以下の通りです。

1.1  50歳代・60歳代・70歳代の平均貯蓄額(平均値・中央値)

  • 50歳代    1168万円 ・250万円
  • 60歳代    2033万円  ・650万円
  • 70歳代    1923万円  ・800万円

60~70歳代の世帯の平均貯蓄額は2000万円前後となっていますが、中央値は1000万円以下となっており、両者の差が大きいことがわかります。

つまり、貯蓄2000万円以上を保有している世帯は少なく、達成していない世帯が多いことが明らかです。