3. 年金額を増やすための3つの方法
ご説明をした「年金支給額を決める要素」をもとに、年金額を増やしたいと考えた時、どのような方法があるのかを説明します。
年金受給額を決定する際に、重要な要素となるのが「報酬月額」「加入期間」「受給開始年齢」です。
3.1 報酬月額を上げる
年金額は現役時代の報酬に比例して計算されるため、給与が高いほど将来の年金額も増加します。月額報酬は基本的に、毎年4月から6月分の給与額によって算定されるため、給与の額をあげていくことで標準報酬月額が増加し、その分老後の年金受給額も増額されることになります。
昇給や昇進、転職の検討などにより、月額報酬を上げることにより、老後の年金額を上げることができます。
3.2 社会保険の加入期間を伸ばす
年金の計算をする際、社会保険の加入期間が長ければ乗じる数字が増えるため、受給額もその分増額されます。
そのため、厚生年金保険に加入している方は社会保険の加入期間を伸ばすことで、将来の年金受給額を増やすことができるのです。
現在の標準的な定年の年齢である60歳以降も社会保険に加入する働き方をすることにより、受け取ることができる年金額を増やすことができます。
ただし、厚生年金の加入上限年齢は原則として70歳であるため、それ以降は厚生年金保険の被保険者資格を失います。
3.3 年金支給開始の繰下げ
老齢年金は、現在の日本の制度では原則として65歳から支給が開始されます。
しかし、60歳から75歳の間であれば、受給者自身で自由に受給開始年齢を選択することもできるようになっています。受給開始年齢を65歳以降に繰り下げた場合、受け取ることができる年金額は1ヶ月あたり0.7%ずつ増額されます。
75歳まで繰り下げた場合、最大で84%の増額を受けられますが、繰下げ期間中は年金を受け取れないため、生活設計に注意が必要です。