3. 高齢者世代の平均年金月額は?
年金生活者支援給付金は前述した通り、公的年金などが一定金額を下回る方を対象に支給される給付金です。では具体的に高齢者世代はどれくらいの年金を受給しているのでしょうか。
今回は厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに平均年金月額を紹介していきます。まずは国民年金の平均年金月額から確認していきましょう。
3.1 国民年金の平均年金月額
- 国民年金の平均年金月額:5万7584円
3.2 厚生年金の平均年金月額
- 厚生年金の平均年金月額:14万6429円
60〜90歳以上を含む高齢者世代の平均年金月額は国民年金で5万7584円、厚生年金は14万6429円でした。
会社員や公務員などが加入する厚生年金は、保険料を納めた期間と賃金に応じて算出されるうえ、国民年金に上乗せする形で支給されます。そのため、国民年金よりも年金額が手厚くなる傾向にあります。
前述した老齢年金生活者支援給付金の支給要件では、公的年金などの収入金額が1956年4月2日以後生まれの方で78万9300円以下でした。所得だけを考慮すると厚生年金よりも国民年金受給者の方が年金生活者支援給付金の支給対象者が多いのではないかと予想できます。
4. まとめにかえて
本記事では、年金生活者支援給付金の最新給付基準額を中心に解説しました。老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金、いずれも前年度より引き上げられる見込みです。
なお、年金生活者支援給付金を受給するには、日本年金機構から送付される請求書を提出する必要があります。書類に必要事項を記入したうえで返送手続きを行いましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします 」
- 厚生労働省「国民年金と厚生年金の仕組み」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人ですか。」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
湯田 浩平