マイナ保険証の解除申請が増えています。厚生労働省によると、2025年1月におけるマイナ保険証の解除申請は1万3212件です。

マイナ保険証は便利なはずですが、なぜここまで解除申請をする人が多いのでしょうか。

本記事では、マイナ保険証の概要とメリット・デメリットについて解説します。まだマイナ保険証の登録をしていない人やマイナ保険証の解除申請を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

1. マイナ保険証とは

マイナ保険証は、マイナンバーカードに従来の健康保険証の機能を搭載させたものです。

マイナンバーカード取得後に健康保険証としての利用申込をすることで、マイナンバーカードに保険証としての機能が実装されます。2022年に実施された「マイナポイント」をもらうために、マイナ保険証の登録を行った人も多いのではないでしょうか。

また、従来の紙の健康保険証は2025年12月2日に使用できなくなり、それ以降はマイナ保険証もしくは資格確認証の提出が必要となります。

マイナ保険証は作ってからの解除申請も可能です。解除申請書を提出することで、マイナンバーカード機能から健康保険証の機能を取り除くことができます。

マイナ保険証の解除申請書(見本)1/3

マイナ保険証の解除申請書(見本)

出所:厚生労働省「マイナ保険証の利用登録解除の運用について」

その場合は、病院などで治療を受ける際、資格確認証の提出が必要となります。

2. マイナ保険証のメリット

解除申請をする人が増えているマイナ保険証ですが、実は多くのメリットがあります。ここではマイナ保険証の3つのメリットを紹介します。

2.1 データに基づいて医療を受けられる

病院などの医療機関の受付でマイナ保険証を提出して情報提供に同意すれば、医療機関は患者のこれまでに利用した薬や特定健診の結果データを確認できます。

そのため、医療機関は患者のデータにもとづいた診断や処置が可能です。専門性がない患者が自ら説明するよりも、確実なデータを取得できるため、大きなメリットとなっています。

2.2 高額療養費制度が自動で適用される

高額療養費制度とは、月の医療費が一定額を超えると自己負担が不要となる制度です。自己負担限度額は年齢や所得によって決まっています。

ただし、従来は自己負担額を超える分も一度自分で支払った後に、支給申請書を提出する必要がありました。

一方で、マイナ保険証を受付で提出すれば、自己負担限度額を超える支払いは不要となります。そのため、高額な医療費を自分で一度負担する必要がなくなり、また面倒な申請手続きもいらなくなります。

医療費が高額になる場合には、大きなメリットといえるでしょう。

2.3 医療費控除を簡単に申請できる

1年間に支払った医療費が一定以上になった場合、確定申告で医療費控除の手続きをすることで税金の還付が受けられます。

マイナ保険証で支払った医療費はマイナポータルに掲載され、確定申告書の作成システムと紐づけが可能です。そのため、データを自動入力でき確定申告の手間が省けます。

入力ミスや計算間違いないも置きづらいため、大きなメリットです。

3. マイナ保険証のデメリット

紹介したとおりマイナ保険証にはメリットが多くありますが、デメリットもあるため注意が必要です。

マイナ保険証のデメリットを2つ紹介します。

3.1 更新が必要となる

マイナンバーカードには10年の有効期限(未成年は5年)があります。有効期限が切れる3か月ほど前に送られてくる有効期限通知書に従って、更新が必要です。

更新を忘れて有効期限が切れると、同時に健康保険証としての利用もできなくなります。そのため、有効期限が切れる前に更新をおこないましょう。

3.2 情報漏洩のリスクがある

マイナ保険証のデメリットとして、情報漏洩リスクもあげられます。

マイナンバーカードには個人情報が多く含まれています。また、マイナ保険証として利用する場合は医療情報も含まれるため、心配する人もいるでしょう。

ただし、顔写真が入っているため対面での不正利用は難しく、オンラインで使用するには暗証番号の入力が必要です。また、不正な情報の読み出しがおこなわれようとすると、ICチップが壊れる仕組みになっています。

そのため、そこまで不正利用や情報漏洩のリスクは高くありませんが、リスクがあることに間違いはありません。

4. マイナ保険証の解除申請は慎重に

マイナ保険証はメリットの多い制度です。

もちろん個人情報の漏洩リスクを気にして手続きをしない、もしくは解約するという手段が必ずしも間違っているわけではありません。

ただし、マイナ保険証を持たないことにより、適切な医療が受けられなくなるリスクや高額療養費の一時的な自己負担が生じるリスクもあります。

それぞれのリスクを考慮して、判断してみてください。

参考資料

苛原 寛