2025年3月21日、総務省より「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分」が発表されました。

2月の消費者物価指数は2020年を100として110.8。前年同月比3.7%の上昇となります。

2025年度の公的年金は2024年度比1.9%の増額改定が決定しています。しかし、2024年の物価上昇率は2.7%。物価上昇のペースを下回っているため、実質的には「増額」とはいえない状況です。

本記事では、老後対策を進めるにあたり把握しておきたい老齢年金(厚生年金・国民年金)の受給額を厚生労働省の資料をもとに詳しく確認していきます。

1. 公的年金のしくみをおさらい ~厚生年金・国民年金って何がどう違うの?~

日本の公的年金制度は下図のとおり国民年金と厚生年金の2種類です。

現役時代の過ごし方・働き方により、加入する年金が「国民年金のみ」の人と「国民年金+厚生年金」の人とにわかれます。

【写真】日本の年金制度のしくみ。2枚目以降で、「厚生年金・国民年金」の受給額をチェックする!

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

年金は老齢年金、障害年金、遺族年金がありますが、本記事では多くの人が受給することになるであろう「老齢年金」について、しくみや年金額を確認していきます。

1.1 国民年金:1階部分

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳以上60歳未満の人
  • 年金保険料:全員一律(年度ごとに改定)
  • 老後の年金額:全期間(40年間)保険料を納めると満額を受給できる

1.2 厚生年金:2階部分

  • 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイト(国民年金に上乗せして加入)
  • 年金保険料:給与や賞与などの報酬に応じて決定(※上限あり)
  • 老後の年金額:年金加入期間と納付済保険料額で計算

上記のように、国民年金と厚生年金では加入対象や年金保険料、老齢年金の計算方法が異なります。

では、それぞれ月額でいくらくらい受給できるのでしょうか。

次章で、60歳~90歳以上のシニア世代が受給している厚生年金の平均月額を見ていきましょう。