3. 70歳代の貯蓄状況

住民税非課税世帯は、「経済的に苦しい」というイメージが持たれがちです。しかし、70歳以降はすでに退職金を受け取っていたり、これまでに用意した資産があったりするため、貯蓄の取り崩しで問題なく生活を送れている世帯も少なくありません。

そこで、70歳代の単身世帯二人以上世帯の金融資産保有額を見てみましょう。

【単身世帯】

  • 平均値:1634万円
  • 中央値:475万円

【二人以上世帯】

  • 平均値:1923万円
  • 中央値:800万円

より実態に近いといわれている中央値を見ると、単身世帯は475万円、二人以上世帯は800万円の金融資産を保有しています。

しかし、金融資産を全く保有していない世帯も、20%以上ある点に注意が必要です。金融資産がないと、普段の生活費を年金収入や勤労収入でカバーする必要があり、もし働けなくなると年金収入に100%依存します。

年金収入だけで生活費をカバーできないと、家計が破綻してしまいます。経済的にかなり厳しい状況に追い込まれてしまうため、計画的に老後資金を貯蓄する必要があるといえるでしょう。

4. まとめにかえて

3万円給付の実務は、自治体が行っています。申請スケジュールや申請方法などは自治体によって異なるため、詳細な情報はお住まいの自治体で確認しましょう。

住民税非課税世帯に該当するボリュームゾーンとなるのは、70歳代以上の世帯です。別世帯で高齢の親がいる方は、必要に応じて申請をサポートしてあげるとよいでしょう。

参考資料

柴田 充輝