老後の大切な収入源である「公的年金」。
公的年金には国民年金と、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する厚生年金があります。
厚生年金の平均受給額は全体で14万6429円(国民年金部分を含む)。
男女別にみると男性は16万6606円、女性は10万7200円となっており、加入期間や収入に応じて保険料を支払うため個人差が大きくなっています。
老後の収入源と考えると「月20万円以上ほしい」と考える方もいると思いますが、実際に厚生年金を20万円以上受け取れる人は全体と男女別で何%でしょうか。
今回は厚生年金の受給額と、2025年度の年金額についてもみていきましょう。
1. 【男性】厚生年金「月20万円以上」のうらやましい人の割合は?女性の割合も
2024年12月に公開された厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金に視点をあてて、平均と月20万円以上もらえる人の割合を確認します。
1.1 【厚生年金】平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
1.2 厚生年金「月20万円以上」の受給権者数・割合
- 全体:261万7157人・16.3%
- 男性:254万5272人・24%
- 女性:7万1885人・1.31%
厚生年金を20万円以上もらえる人の割合をみると、全体で16.3%。
つまり、厚生年金であっても約8割の方は月20万円以下ということです。
男女別にみると男性は24%なので、およそ4人に1人は20万円以上受給しているとわかります。
一方の女性は1.31%となっており、厚生年金でも20万円以上受給できるのはおよそ100人に1人です。
加入期間と収入に応じて払った保険料に応じて決まる、厚生年金の受給額。月額20万円以上受給する難しさがわかります。
2. 毎年度改定される【2025年度】厚生年金と国民年金「1.9%増額」も実質的に目減り
厚生労働省により1月に公表された2025年度の年金額例は以下の通り。
2.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
国民年金の満額は6万9308円。
一方で厚生年金の標準夫婦は23万2784円で、標準夫婦とは会社員で平均的な収入の夫と国民年金の妻がモデルです。
年間にすると、上記の年金額例で増える金額は以下の通り。
2.2 【2025年度は1.9%増】年金額は年間でいくら増える?
- 国民年金(満額):年1万5696円増
- 厚生年金の標準夫婦:年5万2944円増
夫婦であれば年約5万円増となります。
ただし、令和7年度は物価高により増額もマクロ経済スライドによる調整が入り、物価高ほどは年金は増えていません。
月20万円以上受給するのは難しく、少子高齢化の日本においては物価高により増額されるも実質的には目減りになることもあります。
公的年金は生活の柱ですからしっかり確認しつつも、公的年金以外の備えも必要でしょう。
3. 公的年金以外の老後の備えとは
厚生年金について確認しましたが、老齢年金は受給開始から生涯受給できる点がメリットです。
そのため、国民年金のみの方は付加年金や国民年金基金(併用不可)を検討したり、厚生年金に加入する働き方を検討したり、厚生年金の方は収入を増やす方法を考えたりなどするとよいでしょう。
一方で、公的年金以外の備えも重要です。
公的年金以外の老後資金準備としては預貯金のほか、個人年金保険やiDeCoといった私的年金、新NISAを利用した資産運用など、その選択肢は増えています。
iDeCoや新NISAであれば運用益に対する約2割の税金が非課税になりますから、資産運用をはじめる方の選択肢としてよいでしょう。
資産運用はリスクがあるので、しっかりと情報収集をして、とれるリスクの中で自身が納得のいく運用をすることが大切です。
リスクを考えると資産運用はしない方がいいと考える方もいるでしょう。
資産運用をしなければ元本割れはしませんが、インフレに対応できなかったり、資産運用であれば自分だけでなくお金に働いてもらうことができますがそれができずに収入を得る選択肢が少なくなったりなどのリスクもあります。
現代は60歳を超えても働く人が多く、「働けるだけ働けばいい」と考える方もいますが、自身で働くしか収入がないこともまたリスクの一つです。
老後資金対策の選択肢はいくつもありますから、それぞれのメリット・デメリットを考えて自身に合った対策を検討してみてください。

