2. 個人向け債券(変動10年)は元本割れせずに利子を受け取れる
個人向け国債は国が元本保証をしているため、基本的に元本割れは起きません。もちろん日本が財政破綻した場合は元本償還の支払いがなされないリスクはゼロではありませんが、その可能性は極めて低いでしょう。
そのため、元本割れのリスクを避けながら、利息を受け取ることができます。また、金利上昇が今後も継続する場合、個人向け国債(変動10年)の金利も上昇するため、もらえる利息は増え続けます。
この元本割れを避けながら、銀行預金よりも大きい利息を受け取れることは、個人向け国債(変動10年)に投資するメリットです。
3. 個人向け債券(変動10年)で大きな利益を狙うことは難しい
現状の個人向け国債(変動10年)の金利は年0.83%の水準となっています。
今後どれくらい金利が変動するかはわかりませんが、株式や社債など他資産への投資と比較すると受け取れる利息は少ないです。
たとえば、日本の年金を運用するGPIFは国内外の債券や株式に分散投資していますが、過去23年間の平均運用利回りは年率4.33%です。
個人向け国債(変動10年)の金利と比較すると、その差は歴然です。
資産を大きく増やしたい人は、基本的に株式などの資産の方が向いているでしょう。
4. 自分に合った商品で資産形成をしよう
本記事で紹介したとおり、個人向け国債(変動10年)は、元本割れを避けながら金利を受け取りたい人にとって適した商品です。
一方で、大きく資産を増やしたい人は、株式などの他の資産のほうが向いています。
自分がどの商品を購入するかは、資産状況やライフステージによって異なります。例えば、20代独身であれば比較的リスクをとった資産形成ができますが、お金に余裕がないシニア世帯はリスクを抑えた資産形成が重要です。
ぜひ、自分の状況に応じて最適な投資先をみつけてみてください。
参考資料
- 株式会社三菱UFJ銀行「円預金金利及び短期プライムレートの改定について」
- 財務省「個人向け国債ってどんなもの?」
- 財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」
- 財務省「変動10年(第131回)の発行条件」
- 財務省「個人向け国債」
苛原 寛