厚生労働省は、2025年度の年金額を、今年度から1.9%引き上げることを発表しました。これで3年連続の増額となります。

公的年金は、現役時代に会社員や公務員だった場合は厚生年金を、自営業や個人事業主などの場合は国民年金を受け取るなど、働き方によって受給額が異なります。

若いうちは会社員として働き、途中で独立し自営業となる場合もあるでしょう。また、正社員で働いていた方が結婚を機に配偶者の扶養に入ることもあり、一人ひとり状況が異なります。

本記事では、2025年度の年金額の水準を確認するとともに、働き方別の受給額の目安を解説していきます。

1. 2025年度の年金額は前年度より1.9%引き上げ

【写真全6枚中1枚目】2025年度の年金額例、2枚目では、ライフコース別の年金額の目安をチェック

2025年度の年金額例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

厚生労働省が発表した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金額は昨年度より1.9%引き上げられ、国民年金は6万9308円、厚生年金は月額23万2784円となります。

1.1 国民年金は1308円増額

2025年度の国民年金の支給額は、202年度の6万8000円から1308円増額し、6万9308円になります。

これは、国民年金保険料を40年間納付した場合に支給される金額で、保険料の未納期間がある場合はその分減額されます。たとえば、未納期間が5年(60カ月)ある場合の支給額は6万644円です。

計算)6万9308円×420/480月=6万644円

1.2 厚生年金は4412円増額

厚生年金支給額は月額23万2784円です。2024年度は22万8372円でしたが、1.9%引き上げられ4412円の増額となっています。

しかし、この金額はすべての世帯に当てはまるわけではなく、あくまでも厚生労働省が設定したモデルケースの給付水準です。具体的には、平均標準報酬が45.5万円で40年間就業した夫が受給する厚生年金(国民年金を含む)と、専業主婦の妻の国民年金の合計額です。

そのため、平均標準報酬や働き方などが変われば、受給額も異なります。

同じく厚生労働省の「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」には、さまざまなライフコースによる年金額も記載されていますので、次章で確認していきましょう。