2025年1月20日に総務省統計局から公表された「人口推計(2024年(令和6年)8月確定値。2025年(令和7年)1月概算値)(2025年1月20日公表)」によると、2025年1月1日現在、総人口は1億2359万人で、前年同月に比べて56万人減っています。

一方、65歳以上の人口は増加しており、特に75歳以上の人口は前年同月より約69万人増えています。

高齢者の増加に伴い、今後「相続」に関する問題が増えると予想されます。

本記事では、銀行口座の名義人が死亡した際の口座凍結や預金払戻し制度、口座から預金を引き出すリスクについて解説します。

1. 役所に死亡届を提出しただけで銀行口座は即凍結されない

役所に死亡届を提出しただけでは、銀行口座がすぐに凍結されるわけではありません。

実際には、親族が銀行に連絡し「口座の名義人が死亡した」と伝えた時点で口座が凍結されます。

稀なケースとして、銀行関係者が新聞の訃報や葬儀情報から名義人の死亡を知り、親族に確認して口座を凍結することもあります。

また、同じ銀行の複数の支店で取引がある場合、一度の手続きで他の支店の口座も含めて口座が凍結されることがあります。

ただし、名義人の死亡に関する情報は、他の銀行間で共有されないため、相続人は故人が取引していたすべての金融機関に届け出る必要があります。

1.1 預金口座が凍結されると引き出しができなくなる

銀行に死亡の連絡をすると、相続手続き完了するまで口座が凍結され、すべての入出金ができなくなります。

そのため、以下のような影響が生じます。

  • 亡くなる直前の入院費や葬儀費の清算ができない
  • 口座引き落としによる支払いが停止される
  • 振り込みによる受取ができなくなる
  • 電気、水道、ガス、携帯電話料金の未払いにより、延滞料の発生やライフラインが止まる可能性がある

このような影響を回避するため、事前の対策が必要です。