次の年金支給日が4月15日に迫っています。2025年4月1日に公表された日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」によると、2025年度の年金額は2024度から原則1.9%の引き上げとなります。
年金は老後の暮らしを支える大切な収入源です。しかし、年齢によって厚生年金や国民年金の平均受給額がどのように変わるのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、60歳~89歳までの平均年金月額を一覧表で紹介。最新データをもとに、将来の生活設計に役立つ情報をお届けしたいと思います。
1. おさらいしておきたい!公的年金のしくみ
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立つ2階建て構造となっています。
この2つの年金制度の基本を押さえておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金
加入対象
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
年金保険料
- 全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)
老後の受給額
- 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれるしくみ。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金
加入対象者
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
年金保険料
- 収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
老後の受給額
- 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして受給額の計算方法などが異なります。そのため、老後に受け取る年金額はひとりひとり変わってくるのです。
また、公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。次では2025年(令和7年度)の年金額改定について紹介します。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。