2025年2月21日、総務省統計局は最新の「消費者物価指数」を公表しました。2025年1月分の総合指数としては、対前年比で4.0%の物価上昇となっており、過去一年の推移で見ても最も高い上昇率となっています。

筆者はFPとして家計や資産運用の相談にものっていますが、最近では食品含めものの値段が上がりすぎて生活費が苦しいと話される方も実感として増えている印象があります。

特に収入を年金に頼っているシニア世代にとっては、支出の増加は日々の生活の不安に直結します。現役世帯でも多くの方が老後資金が不安と相談に来られる方が多く、また年金はほとんど受取れないのではという漠然とした不安を抱えているようです。

老後資金を準備していくにあたっては、老後に受け取ることができる「年金」制度とその現状を理解することも大切になってきます。なぜならば、将来いくらの年金収入を想定するかで、現役中に準備しなければならない老後資金の金額も変わってくるからです。

本記事では、現役シニア世代の年金受給額について詳しく確認していき、合わせて老後資金の対策方法についても解説していきます。

1. 公的年金の仕組みとは

日本の公的年金制度を確認しましょう。

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表もチェック!

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金

  • 加入者:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
  • 保険料:全員一律
  • 受給:40年間欠かさず納めれば満額

1.2 2階部分:厚生年金

  • 加入者:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
  • 保険料:収入に応じて(上限あり)変わる
  • 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり

日本の年金は国民年金と厚生年金の2階建てです。

国民年金は20歳以上60歳未満のすべての人が原則加入し、保険料は一律です。

一方で厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた保険料を支払うという違いがあります。