4. 65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額はいくら？65歳以上全体の分布からわかること
月の生活費や年金収入をみると、いかに老後の備えが重要かわかります。
ではシニアの平均貯蓄額はいくらでしょうか。
総務省の「家計調査報告（貯蓄・負債編）2023年(令和5年)平均結果の概要（二人以上の世帯）」から、65歳以上の無職世帯主がいる二人以上世帯の貯蓄事情を見ていきます。
4.1 【65歳以上の無職夫婦世帯】平均貯蓄額の推移
- 2018年：2233万円
- 2019年：2218万円
- 2020年：2292万円
- 2021年：2342万円
- 2022年：2359万円
- 2023年：2504万円
無職世帯の平均貯蓄額推移をみれば、いずれも2200～2500万円台となっておりまとまった貯蓄がある印象です。
では同資料、65歳以上全体の、世帯主がいる二人以上世帯の貯蓄事情を見ていきます。
4.2 世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高（二人以上世帯）平均・中央値
- 平均値：2462万円
- 貯蓄保有世帯の中央値：1604万円
上記を見ると平均は1462万円ですが、貯蓄保有世帯の中央値は1604万円。
蓄額2000万円超は41.2%が貯蓄額2000万円超となっており、つまり約半分は2000万円以下だとわかります。
200万円未満の世帯が12.0%など、貯蓄が心もとない世帯も少なくないのです。
5. 【老後の生活費】最低限の必要額やゆとりある生活費を想定して備えを
老後の生活費について確認していきましたが、年金収入によっては最低限の生活でも、またゆとりをもって生活するためにも貯蓄を切り崩して生活していく必要がある方も多いでしょう。
さらに「リタイア後はいろいろな場所へ旅行をしたい」「昔からやりたかった趣味に没頭したい」「リフォームして理想の家にしたい」など夢や目標をかなえるためには、より貯蓄が必要となります。
年金だけでは不安な方も多いと思いますが、老後は急にくるものではなく、前もって用意していくこともできます。
現代は新NISAやiDeCoといった運用益にかかる税金が非課税になる制度もあり、以前より運用をはじめやすくなりました。
今ある制度でできることをまずは情報収集して、ご自身に合った方法で備えていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告（貯蓄・負債編）－2023年（令和5年）平均結果－（二人以上の世帯）」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年（令和7年）2月分」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
川勝 隆登
