4. 「国民年金と厚生年金」世帯別年金額のイメージを一覧で見る
65歳以上世帯の貯蓄額や家計の状況を確認しましたが、老後生活の主な支えとなる年金の額も気になるところです。
厚生労働省「年金部会」は、単身世帯や共働き世代が増えているという現状を踏まえて、いくつかのモデル年金額を提案しています。
4.1 厚生労働省「年金部会」による、世帯別年金額のイメージ
厚生労働省が提供するモデルケースは、年金制度への信頼感を高め、老後の生活に対する不安を軽減することを目的としており、国民一人ひとりの所得に基づいて将来受け取れる年金額を具体的に示しています。
【パターン別】単身世帯の年金例をチェック
- 報酬54万9000円:18万6104円
- 報酬43万9000円:16万2483円
- 報酬32万9000円:13万8862円
- 報酬37万4000円:14万8617円
- 報酬30万000円:13万2494円
- 報酬22万5000円:11万6370円
- 報酬14万2000円:9万8484円
【パターン別】夫婦世帯の年金例をチェック
- 夫の報酬54万9000円+妻の報酬37万4000円:33万4721円
- 夫の報酬43万9000円+妻の報酬30万000円*:29万4977円
- 夫の報酬32万9000円+妻の報酬22万5000円:25万5232円
*夫の報酬43万9000円は男性の平均的な収入、妻の報酬30万円は女性の平均的な収入、以降の数字も同じ
- 夫の報酬54万9000円+妻の報酬14万2000円**:28万4588円
- 夫の報酬43万9000円+妻の報酬14万2000円:26万967円
- 夫の報酬32万9000円+妻の報酬14万2000円:23万7346円
**14万2000円は短時間労働者の平均的な収入(男女計)、以降の数字も同じ
- 妻の報酬37万4000円+夫の報酬14万2000円:24万7101円
- 妻の報酬30万000円+夫の報酬14万2000円:23万978円
- 妻の報酬22万5000円+夫の報酬14万2000円:21万4854円
- 夫婦ともに報酬14万2000円:19万6968円
- 夫の報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫の報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫の報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻の報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻の報酬30万000円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻の報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
最近では、夫婦共働きの家庭が増えており、今後は家族の働き方が多様化し、さまざまな雇用形態が登場することが予想されます。
これに伴い、年金の受給パターンも一層多様化する可能性があります。
上記のモデルケースでは、給与水準や雇用形態に応じて、いくつかの年金額が示されていますので、自分の世帯状況に合ったケースを参考にし、将来受け取る年金額をイメージしてみましょう。
5. まとめにかえて
本記事では、65歳以上の無職夫婦世帯の暮らしぶりを、「貯蓄額・生活費・年金額」のお金に関するデータから観察してきました。
収入と支出のバランスがとれない場合、収入を増やすか支出を減らして調整する必要があります。しかし、老後の収入アップは簡単ではありません。支出を減らせない場合、貯蓄を取り崩して不足分を補填することになるでしょう。
NISAやiDeCoといった税制優遇制度が広く知れ渡っていますが、これらは老後の資産形成に適した制度です。
いずれもメリットとデメリットがありますが、税制面でのメリットは大きな魅力といえます。
貯蓄=預貯金だけではありません。効率良く資産形成を進めるために、情報収集から「老後対策の第一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。