2. 太陽活動が極大を迎える時期に合わせてアイスランドへ

東京を拠点に活動しているフォトグラファーの小林さん。

主に風景写真を撮影しており、かねてからアイスランドの絶景に憧れを抱いていたとのこと。一度はコロナ禍で計画を断念したそうですが、今回念願叶ってアイスランドへ。

せっかく行くのであれば「オーロラを確実に見たい」「その上でできるだけ素晴らしいオーロラを見てみたい」との思いから、オーロラが見える確率が高くなる周期の事前調査を行ったそう。

小林さんによると、オーロラは11年周期で極大を迎える太陽活動によって発生しており、この2024年~2025年がまさに太陽活動が極大を迎える時期。

その中で少しでもオーロラが見える確率を上げるため、できるだけ極夜に近く、日照時間が短い12月末を目安にアイスランドへ行く計画を立てたという小林さん。

さらに悪天候が多く天気の移り変わりが激しい冬のアイスランドの気候を考慮し、レンタカーで毎晩晴れている場所まで移動したといいます。移動距離は10日間で6000キロメートルほど。

そして事前にオーロラと一緒に撮影をしたら絵になるだろう場所をアイスランド全土でピックアップし、どこでオーロラが見えても良い写真が撮れるように準備。

到着してから5日間でアイスランドを1周半周り、その間は毎日オーロラを見ることができたそうです。しかしいわゆる「爆発したようなオーロラ」は見ることができず…。

そんな中、規模の大きな太陽フレアが発生したため、小林さんは事前に目を付けておいたとっておきの場所へ。

こうして滞在5日目でついに小林さんの眼前にあの「空一面のオーロラ」が現れたのです。

3. こだわったポイントはロケーションとオーロラの動き

空一面のオーロラを見たときの心境を伺うと、「もう、とにかく感動しました」と小林さん。

これまで見てきたオーロラは、薄っすら白っぽい薄雲が揺れているように見えたり、一部分だけ緑で筋のように見えていたそうですが、その日は「空全面で薄緑のカーテンが揺れている」ことが肉眼でもわかるほどだったそう。

撮影でこだわったポイントについては、「1つがロケーション、もう1つがオーロラの動きです」とのこと。

ロケーションは数多の候補の中から最も絵になると感じた場所を選択。オーロラの動きについては、絶えず動くオーロラのカーテンをできるだけきれいに写せるよう、シャッタースピードを短めに設定して工夫したそう。また、現像時の処理もノイズが気にならないよう気を付けたとのことです。

苦労した点については、「撮影時はオーロラの動きが思っていたよりも早いことに苦労させられました笑。試行錯誤して、現像する際も色々な処理を試して綺麗に仕上げることができました」と小林さん。

続けて、「実はもう一つ、移動もかなり苦労しました。今回は私1人で全て運転していたのですが、アイスランドは強風が特徴。そのためあまりの強風に雪が巻き上げられ、視界がホワイトアウトすることが多々ありました。そういったことが頻繁に起こる中、毎回何百キロメートルも運転して移動していたので、流石に精神的にもかなり苦労しましたね。ただ、そういった苦労を乗り越えてこの写真を撮ることができたので、撮影できた時はより一層感動しました」と振り返ります。

こうして入念な計画と準備、そして苦労の末に撮影されたのが、話題となった1枚だったのです。

圧倒的なオーロラの写真に返信や引用欄では、「ここは天国ですか?」「優勝」「素晴らしいのと羨ましい」といったコメントが続出しています。

4. アイスランドの2023年のGDPは310億米ドル

アイスランドのオーロラが話題となったことに関連し、ここからはアイスランドについて紹介します。

北大西洋に浮かぶ北欧の島国・アイスランド。北海道よりやや大きい10.3万平方キロメートルの土地に、約38万人が暮らしています。

主要産業は観光業、水産業、水産加工業、金属(アルミニウム精練)で、2023年のGDPは310億米ドル。一人当たりGDPは7万9998米ドルとなっています。

いかがだったでしょうか。今回は、Xで話題になっているアイスランドのオーロラを紹介しました。

投稿主の小林さんのXアカウントでは、世界の美しい風景写真がたくさん投稿されています。

オーストリアで撮影された美しい景色

オーストリアで撮影された美しい景色

出所:@kousa_photo

気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

長野県で撮影された美しい景色

美しい景色

出所:@kousa_photo

参考資料

小野田 裕太