4. まとめにかえて

少額投資非課税制度の「新NISA」を活用した資産形成

少額投資非課税制度の「新NISA」を活用した資産形成

出所:Yusuke Ide/istockphoto.com

いかがでしたでしょうか。

今回は、証券会社の元富裕層担当社員である筆者が「新NISA」の特徴をわかりやすく解説しました。

また、50歳から「毎月5万円×15年間」つみたて投資枠を活用した場合、年率1~5%でいくらの資産を築くことができるのかシミュレーションした結果をご紹介しました。

年率3%で「毎月5万円×15年間」積立投資を行うと、1134万9000円になる可能性があることがわかりました。

15年間で積み立てた元本は900万円なので、積立投資により増えた金額は「234万9000円」です。

通常であれば、「234万9000円」に対して20.315%の税金がかかりますが、新NISAの活用により非課税となります。

しかし、資産運用によりこのような利益が期待できる一方で、価格変動リスクが伴います。

そのため、将来に向けた資産運用を検討する際は、生活費から捻出するのではなく、余剰資金を用いて行うことが大切です。

まずは今の家計の状況を把握し、生活費や万が一のときのための生活防衛資金を確保したうえで、資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。

5. ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料

安達 さやか