1.2 ここ数年の年金の増減額

  • 2022年度:0.4%の引き下げ
  • 2023年度:新規裁定者は2.2%の引き上げ、既裁定者は1.9%の引き上げ
  • 2024年度:2.7%の引き上げ
  • 2025年度:1.9%の引き上げ

年金は3年連続で増額されていますが、決してシニアの暮らしぶりが良くなっているとは言えません。

これは、「マクロ経済スライド」によって物価上昇率よりも年金上昇率が下回る構造にあるため、実質的には減額されているからといえるでしょう。

また額面があがると税金や社会保険料への影響もあるため、手取りで引き上げを実感するシニアは少ないのかもしれません。

では、今のシニアは実際にどれほどの年金を受け取っているのでしょうか。2024年12月に公表されたデータより、2023年度末時点での受給額を見ていきましょう。

2. 【年金一覧表】60歳代・70歳代・80歳代「厚生年金」の平均年金月額はいくら?

厚生労働省から公表された「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を確認しましょう。

なお、以下の厚生年金はすべて国民年金部分を含みます。

2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)

60歳代の厚生年金額

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。