4. 老後に受け取る「年金額」を増やす方法は?

そのため、年金額を増やす方法を模索している方には、次のような対策が有効です。

まず、「国民年金」の場合、未納期間があると受け取る年金額が減少しますので、未納分があれば速やかに追納することが重要です。

次に、会社員や公務員などで「厚生年金」に加入している人は、現役時代の年収を向上させることで、将来受け取る年金額を増加させることができます。

また、厚生年金の受給額は保険料の納付額に加えて、加入期間が長いほど増えるため、長期間にわたって厚生年金に加入していることが重要です。

上記をまとめると、国民年金の未納があれば追納し、年収を上げて長期間働くことが年金額を増やす鍵となります。

とはいえ、これだけでは十分に年金額を増やすのは難しいため、「繰下げ受給」を選択して受給額を増やすことも検討しておきましょう。

4.1 年金が最大84%も増額に!「繰下げ受給」とは?

繰下げ受給は、年金の受給開始年齢を通常の65歳から最大75歳の間で遅らせることができる制度で、この制度を利用すると、年金額が最大で84%増加する可能性があります。

増額の仕組みは、繰り下げた月数に応じて年金額が増加し、増額率は「繰り下げた月数×0.7%」となります。

※昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなります。

繰下げ増額率早見表

繰下げ増額率早見表

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

たとえば、国民年金と厚生年金を合わせて月14万円を受け取っている場合、受給開始年齢を約5年遅らせることで、月20万円に近い年金額を受け取ることができます。

しかし、繰下げ受給を選択すると、その間は年金を受け取ることができないため、生活費を確保するためには働き続けるか、貯金を取り崩して生活費を賄う必要があります。

そのため、繰下げ受給を考える際には、「何歳まで働くのか」や「老後資金がどれくらい必要か」をしっかりと計画しておくことが重要です。