「年金生活者支援給付金制度」は、低年金の方の生活を支援することを目的とした制度です。支給要件を満たす場合、申請すれば公的年金に上乗せして給付金が支給されます。
なお、年金生活者支援給付金の給付基準額は、公的年金と同様に毎年変動します。
1月24日に公表された2025年度の年金額改定によると、年金生活者支援給付金の基準額は2024年度比で2.7%上昇する見込みです。
本記事では、年金生活者支援給付金の支給要件や2025年度の年金額改定の内容について解説します。
また、厚生年金と国民年金の平均月額を年齢別に見ていきましょう。
1. 「年金生活者支援給付金」が上乗せ支給される人とは?
まず、年金生活者支援給付金を受け取れるのは、以下の支給要件を満たす方です。
各種の支給要件を見ていきましょう。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
次に、障害年金生活者支援給付金の支給要件もチェックしていきましょう。
1.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
1.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
このように、年金生活者支援給付金を受け取るには所得制限が設けられています。
老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、公的年金等の収入が88万9300円以下もしくは88万7700円以下とされているので、月額にすると約7万4000円以下の場合は給付を受けられる可能性があります。
2. 【2025年度最新】年金生活者支援給付金の給付基準額が2.7%の上昇
1月24日に2025年度の年金額改定が公表され、公的年金の受給額は1.9%の引き上げ、年金生活者支援給付金等は2.7%の引き上げとなることが決定しました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(前年度比+140円)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円(前年度比+175円)・2級5450円(前年度比+140円)
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円(前年度比+140円)
実際の金額は保険料納付済期間などに応じて算出されますが、基準額相当を受け取れる場合、年間約6万5000円の受給額となります。
では、60歳代~80歳代のシニアは、どのくらいの公的年金を受け取っているのでしょうか。
次章にて、厚生年金と国民年金の平均月額を年齢別に見ていきます。
3. 最新【厚生年金の一覧表】60~89歳までの平均月額
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の平均月額を見ていきます。
※厚生年金の平均月額には基礎年金部分も含まれています。
3.1 60歳代・厚生年金の平均月額
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
3.2 70歳代・厚生年金の平均月額
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
3.3 80歳代・厚生年金の平均月額
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
繰り上げ受給となる65歳未満の受給額は少ないですが、65歳以降は概ね14~16万円が平均月額となっています。
4. 最新【国民年金の一覧表】】60~89歳までの平均月額
続いて、国民年金の平均月額を見ていきます。
4.1 60歳代・国民年金の平均月額
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
4.2 70歳代・国民年金の平均月額
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
4.3 80歳代・国民年金の平均月額
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
国民年金の平均月額は年齢によって大きな差はなく、概ね5万円台の受給額となっています。
5. まとめにかえて
今回ご紹介したように、年金生活者支援給付金制度は、低年金の方の生活を支援することを目的とする制度です。
しかし、給付基準額相当を受け取る場合でも、1ヵ月あたりの給付額は5450円(2025年度より)となります。
生活状況を大きく変えるには至らないので、公的年金や給付金に頼らなくても済むよう準備を始めておくことが重要です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用した積立投資など、資産が増えにくい貯蓄以外の方法も視野に入れ、老後に向けて長期的な資産形成を進めていきましょう。






