2. 【ASUSのCopilot+PC】日本市場にフォーカスしたZenbook SORAの実力は?
Zenbook SORAは、すでに海外では1月に発表済みの「ZenBook A14」をベースとしています。「SORA」という名称は日本市場限定で、仕様もチューンナップされています。実は同社は2年前から日本市場特化モデルの発売に向けた調査を行っており、本製品はまさにその結実ともいうべきモデルとなっています。
同社の調査で明らかになったのは、日本人(特に東京近郊)の通勤通学時間は長く、「軽量・薄型だけでなく駆動時間も求めている」ということです。その結果自体は目新しいものではありません。軽量・薄型と駆動時間の両立は難しいというのは周知の事実で、PCメーカー各社が苦心しているのが実態です。そして、ASUSがZenbook SORAをこれだけ大々的に打ち出したのは、この難題に満足のいく回答を出すことができたからです。
2.1 【モバイルPCとしての実力】1kg未満で20時間以上のスタミナを実現
同モデルは約899g/幅13.4mmという軽量・薄型PCながら、バッテリー駆動時間は最長約23時間(UX3407QAの場合、約980gのUX3407RAのバッテリー持続時間は約29時間)。軽量・薄型でスタミナもあるモバイル機として文句のないスペックを実現しています。
ポイントはいくつかありますが、特徴的なのがセラミックとアルミニウムを融合した独自開発素材「セラルミナム」を天板からキーボードまで全面的に採用したことです。同素材は非常に軽いだけでなく、耐久性もすぐれており、モバイルPCに求められる「軽くて頑丈」という要素も満たしています。
実物を見てみると、その質感も印象的でした。見た目は陶器のような高級感のある佇まい、触った感覚はさらっとしており、上質な紙を彷彿とさせました。特に天板を開くときの軽さは未体験の感覚!筐体を上から押すとしなりがあるのですが、素材の特性で割れにくく、たとえば満員電車などで圧迫されても破損しにくいとのことでした。
2.2 【Copilot+PCとしての実力】高性能NPU搭載でAIパワーを存分に発揮できる
モバイルPCとしての実力は「軽量・薄型なのにスタミナがある」という部分に尽きますが、Zenbook SORAはCopilot+PCとしても妥協していません。特筆すべきはNPUにクアルコムのSnapdragon Xシリーズを搭載していることです。
NPUとはAIの演算処理に特化した専用プロセッサーで、CPUやGPUとは別の役割を担っています。とりわけAI PCにおいてAIのパフォーマンスを左右するNPUは重要な要素です。Copilot+PCでは40TOPS(TOPSは処理性能を数値化したもの)を満たしていることを要件としていますが、Zenbook SORAは45TOPSで基準を軽くクリアしています。
発表会では、ゲストとしてパートナー企業である日本マイクロソフトから小澤拓史常務、クアルコム シーディーエムエー テクノロジーズから泉宏志・マーケティング統轄本部長が登壇。Copilot+PCやAI処理において両社が果たす役割を説明しつつ、Zenbook SORAが市場にもたらすインパクトに期待を寄せました。