2. 不遇な世代といわれる「40歳代・50歳代」の貯蓄事情
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を参考に、40歳代・50歳代の平均貯蓄額を、世帯別で確認していきます。
2.1 【単身世帯】40歳代・50歳代の「平均貯蓄額(平均値・中央値)」
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、40歳代・50歳代の単身世帯の平均貯蓄額は以下のとおりです。
【単身世帯・40歳代・50歳代の平均貯蓄額】
- 40歳代:平均値559万円・中央値47万円
- 50歳代:平均値1391万円・中央値80万円
平均値は、「すべてのデータを合計し、その合計をデータ数で割った値」を指すため、貯蓄額が極端に多い人が含まれると、平均値が大きく影響を受ける可能性があります。
一方、中央値は「データを小さい順に並べた際の中央に位置する値」であり、貯蓄の実態を把握するには、平均値よりも中央値を参考にする方が実情に近いと言えるでしょう。
40歳代および50歳代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額の中央値は、「47万円」「80万円」であり、この世代の多くが貯蓄100万円未満であることが分かります。
これに対し、前後の年代である30歳代と60歳代のおひとりさま世帯の中央値はそれぞれ「100万円」と「210万円」となっており、40歳代と50歳代の貯蓄額が特に低いことが際立っています。
この背景には、現在の40歳代と50歳代が「就職氷河期世代」に該当し、当時の就職難が貯蓄額に影響を及ぼしているケースが多いと推測されます。
では、40歳代・50歳代の二人以上世帯の貯蓄額はどうなっているのでしょうか。